投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

あるお伽噺の最初へ あるお伽噺 48 あるお伽噺 50 あるお伽噺の最後へ

待ち人-12

彼らと仲間は身支度を整え、設営した簡易的なテントを畳むと、馬にまたがり出発した。

ティアラは心ここにあらずだった。
サミュエルが何か自分に話しかけていたのに気がつかなかった。

「おい!聞いてんのか?」

耳元で怒鳴られて、我に返る。

「きゃっ!!」

彼女はびっくりして叫んだ。

「いきなり叫ぶなよ!馬だって驚くじゃねえか。」

彼は舌打ちする。


「ごめ・・ごめんなさい。」

「ったく、朝から調子狂うぜ。」

「ごめんなさい。」

「まあいいけどよ。それより、もうすぐ奴らのアジトが近い。これからは徒歩で行く。
半分はここに待機、半分は乗り込む。お前はもちろん俺と一緒に来い。わかったか?」

「はい・・・。」


もうすぐ母親が連れて行かれたとされる盗賊のアジトが近い。
・・・というのに、ティアラの心はそれどころではなかった。
サミュエルがラウルじゃないかと言う事が気になってたまらない。


あるお伽噺の最初へ あるお伽噺 48 あるお伽噺 50 あるお伽噺の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前