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あるお伽噺
【ファンタジー 官能小説】

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滅ぼされた村-13

この少年を信じてもいいのだろうか?
そんな不安もあったが、ここに一人でいても母親は助からない。
そう思って彼女は彼について行くことを決めた。

「・・・そうか、じゃあ行くぞ!お前も乗れ!」

馬に乗るのが初めてのティアラがもたもたとしていると、
少年は軽々とティアラを持ち上げ、馬に跨がせた。
すぐに彼もティアラの後ろに跨り、手綱を引き馬を走らせた。

馬はあっという間に駆ける。
ラウルが行方不明になった森の中を抜けて、見たこともない景色を駆け回る。
もう自分の村がどの方角かわからない。

しばらくすると彼らは洞窟へとたどり着いた。
少年は馬を木に繋ぎ、薄暗い洞窟の中へとティアラを導いた。

彼が松明に灯した炎だけで、洞窟の中はみるみると明るくなった。
洞窟の中は狭く、床に一枚の動物の毛皮が無造作に敷いてあるだけだった。


「明日、俺は仲間と合流する。」

「仲間・・・?」

「俺も盗賊。」


彼はサラッと言ったが、ティアラはその言葉に反応してしまう。
彼女はとっさに後ずさってしまった。


「びびんなよ、俺らはあいつらとは違う。」

「でも・・・盗賊って・・・。」

「俺らはあいつらみたいに無意味な人殺しはしねぇ。お宝だけ頂いていく。」

「・・・でもやっていることは同じじゃない・・・。泥棒でしょ・・・?」

「生きていくためには仕方ねぇんだよ。」

「でも・・・」


彼はまた舌打ちした。
気が短いらしい。

「さっきから、でも でも ってうるせえな。
お前はこれから、お前が嫌っている盗賊に世話になるんだろ?
それともまた一人で、あの死体だらけの村に戻んのか?俺はどっちでもいいぜ。」


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