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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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全然平気だから…-5

「巴が?」
「うん、夜に急に電話が掛かって来て。」
「何か急用か?」
「ううん!ただ「話がしたい気分なの」って。」
「えー、してどうしたんだ。」
「どうって、勿論付き合ってあげたよ、大した話じゃないけど。」
「ふーん、アイツがねぇー。」
「彼女には色々と助けて貰ったし、それに電話越しの声、とっても弱弱しかった。」
「アイツにしては珍しいなぁ。まっ何かあったなら励ましてやらないとな。」
「…でも、佐伯君が行っても宜しいのでしょうか?」
「急に敬語だな。」
「はい、何となくですが。」

巴ちゃん…。確かバレーボール大会は優勝した筈…、ご機嫌なら分かるけど。

「あっ!若葉ちゃーんっ!」
「!?あっ、風馬君。」

暗い表情でアスファルトに視線を落としていると、後ろから緩い声が。

「やっぱりー、おっはよー。」
「風馬君、おはよー。」
「どうしたのー?元気ないねー。」
「そ、そんな事は。所で慣れた?新しい学校や街に。」
「うん!友達も出来たし、今どの部活に入ろうか悩んでて。」
「へぇー、美術部とか良いんじゃない?子供の頃、絵が上手だったじゃない。」
「覚えててくれたんだぁー、そんな子供の頃までー。」

何だろ、この思ってた返答と違う感じ。

「うん!だって風馬君は私にとって大事な友達でしょ?家族ぐるみで公園に行ったり
宿題教えて貰ったりしたし。」
「友達…かぁ。」
「風馬…君?」
「あっ!何か話し中だった?御免なさい突然割り込んできて…。」
「ううんっ!別にそんな。」
「じゃ、また教室でっ!」
「はーーい。」

そう言ってゲンキンにアスファルトを蹴り、学校へいち早く登校する。

「何か、変わったな…彼。」
「柊さん…。それより巴の奴、大丈夫かなぁー?」
「そう、だよねぇー。」

巴、ちゃん……。

第12話へ続く。


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