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ディーナの旦那さま
【ファンタジー 官能小説】

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その夜の旦那さま-3

「あっ、あっ、ア、あッ……」

 何度か短く啼いてから、ディーナは弓なりに反らした身体をグッタリと敷布に落とす。少しの合間、虚空を見つめて荒い呼吸を繰り返していたが、すぐにまた眉根を寄せ、切なげに身をくねらせはじめた。
 媚薬の効果が切れないかぎり、体内に渦巻く熱を解放しても、楽になれるのはほんの一時だ。

「はぁっ……あ、ぁ……ど……して? まだ、熱くて……もっと……」

 ディーナの額に、首筋に、幾筋も汗が流れて窓からの月光に光っている。
 クリーム色の上着を、引き裂くように脱がせた。その下の衣服も、ブチブチとボタンを飛ばして汗ばんだ身体から剥ぎ取る。

 露になった胸の先端を口に含むと、ディーナがビクンと身体を震わせた。カミルの髪へ両手の指を絡め、自ら胸を押し付けるように突き出す。
 濃く色づいて膨らんだ突起を舌先で押しつぶし、軽く歯を立ててコリコリした感触を楽しむ。感じやすい側面を舐めてやると、切羽詰った嬌声が徐々に高くなっていく。

 ただでさえ媚薬に焼かれているうえに、一度達したばかりの身体だ。追い上げるのは造作もなかった。
 もう片方の先端も指で弄りながら強く吸い上げると、カミルの頭を掻き抱いたまま、ディーナは絶頂の声をあげて仰け反った。
 白い内ももが痙攣し、桃色に染まった秘所から濃い蜜が吐き出される。

「……挿れるぞ」

 掠れた声でカミルは囁いた。
 本物の魅了をかけて吸血し、己にも魅了が伝染した時のように、全身に強烈な情欲が渦巻く。
 媚薬で苦しむディーナを楽にするなど、もはや口実に過ぎなかった。抱きたくて抱きたくて仕方がない。
 背筋や首筋にゾクゾクと痺れが駆け抜け、我慢の限界だった。

 ヒクヒクと余韻にうち震えているディーナの脚を抱え、さらに大きく開かせる。
 滾った雄を取り出して熱い秘所にあてがい、濡れそぼった花弁を割り開いて一息に貫いた。

「あ、くっ……ふっ……」

 狭い道を割り開かれる衝撃に、ディーナは苦しげな声を漏らして身をひきつらせる。
 目端から涙を零し、苦悶に耐えるように手足を戦慄かせるが、苦しげな息はすぐ悩ましげな嬌声に変わり、両腕をカミルの背に回してぎゅっとしがみついてきた。

「だんなさま……あ、ぁ……きもち、い……です……奥、突いて……いっぱい、して……」

 焦点のあわない蕩けきった瞳のまま、淫らな懇願を口にして、足をカミルの腰に絡めてくる。細い腰が揺れ、蠕動する蜜壷が雄を締めつける。あまりの気持ちよさに眩暈がした。
 思い切り腰を打ち付け、月光だけの暗い部屋に二人分の荒い呼吸と肌のぶつかる音が響く。
 律動にあわせてディーナの腰も揺れ、狭い隘路がうねうねと蠢いて雄を愛撫する。
 快楽で下がった子宮口を先端でこね回すと、蜜壷全体がぎゅっと収縮した。

「あ、ン、ぁっ……ああっ! だんな、さ……あああっ――!!」

 脈打つ媚肉の締め付けと、奥から溢れる蜜の熱さに、カミルも危うく達しそうになるが、寸でのところで堪えられた。
 一度抜ける寸前まで腰を引き、大きく胸を喘がせているディーナを、また深々と貫く。

「ひ……っ! や、ぁ、あああっ!!」

「ディーナ……ディーナ……」

 ひっきりなしに嬌声を零すディーナに口づけながら、カミルは熱に浮かされたように彼女を呼ぶ。激しい抽送を重ね、何度も絶頂に追いやった末に、堪えきれずにカミルも熱を吐き出した。
 熱い飛沫を子宮に叩きつけられ、ディーナも身悶えて達する。その身体を抱きしめ、奥深くに注ぎ込んだ。

 そして……これを口にする資格は自分に無いと承知していたのに、殆ど無意識のうちに、その言葉はスルリと喉から滑り出てしまった。

「ディーナ……愛している」

「あい、して……?」

 まだ身体のうちにカミルを受け入れたまま、ディーナが快楽に蕩けた視線を上げた。
 舌がもつれたような、たどたどしい声で、まるで不思議な単語にように呟く。
 しかし、ぼんやりしていたその顔が、不意にクシャリと歪んだ。

「や、あああ!!」

 悲痛に泣きながら、ディーナは両手足をカミルに強く絡める。

「いわない、で……っ! いやぁ! だんなさま……ひどいっ! わたし、にせものなんか、いらないっ! だんなさまっ! あいしてるの……っ!!」

 溜め込んだ鬱積を吐き出すように叫び、必死にしがみついてくるディーナを、カミルは茫然と抱きとめていた。

 ―― 上手く、理解できない。

 ディーナはカミルに好意はもっても、愛してはいなかったのでは……?
 約束を守って義理堅く、その身体まで差し出して、生真面目に仕えていただけだったのだろう?

 ―― 何を言ってるんだ、お前は。さっぱり解らん。酷いのは、お前の方だろうが。

 その身をていしてカミルの矜持を守ろうとし、媚薬に苦しみながらも、カミル以外には抱かれたくなどと言うから。

 ―― ほら。俺はまた、お前に愛されている気になってしまったじゃないか。


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