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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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交際-4

「へぇー、こないだ一条君と映画にねぇー。」
「そうなのよ、あいつの鑑賞後の感想がまた面白くて…。」

分かる気がする…。

「その後一緒に買い物を付き合ってもらって、小腹がすいたのでレストランに。」
「何だか楽しそうだねぇー。」
「うん!誰かさんと一緒でねぇー。」
「えっ?まぁーあはは。」

好きな人、それを分かち合える友人、ここに転校し独りぼっちだった頃とは大違い。

「ちょっとトイレ行って来る。」
「うん。」

何もかもが充実し、幸せな気分…。

だけどそうやって浮かれている時こそ油断をしてはいけないという事を思い知らされる。

「ねぇ、アンタ!」
「ほえ?」
「間抜けな声出してんじゃねーよ。」

突然話しかけてきて乱暴な口を開く女子二人組。

「私に何か御用でしょうか?」
「アンタさぁ、うちのあたる様と付き合ってるんですって?」
「うちの…って、貴女は彼の身内の方なんですか。」
「ちげーよ!まぁ接点があれば良いとは思うけど。」
「では、うちのあたる様…と言う発言はどういう…。」
「だぁーーっ!うっせーよ!いちいち勘に触る奴だなぁ。」
「ひょっとして私と漫才をしたいのでしょうか?でも私そんな才能。」
「似合わないのよ!アンタ何かが、うちのあたる様と。」

先ほどから二人して私に敵意の目を向ける。

「ありがとうございます、貴重なご意見を。」
「クレーム対応かっ!アンタのようなぶりっ子のバカ女が、うちのあたる様と。」
「どうして私の成績が低い事が分るんです?」

弱ったような表情で、隣のお友達に視線を合わせる。コイツと会話してると頭が痛くなる
とでも言わんばかりに。

「アンタは遊ばれてるのよっ!」
「まぁ、いずれかゲームセンターにも行こうとは言ってくれてますが。」
「そうじゃなくて、うちのあたる様は別にアンタ何か本気にしてないって事。」
「そうですね、実際遊びに行ったら手加減してくれるのでしょうね。」
「だーかーらー、うちのあたる様はアンタ何か本気で好きになる訳ないでしょって。」
「なるほどぉーじゃー伝えときますね、うちのあたる様に…うわっ!?」

激怒した彼女が私を思い切り突き飛ばし、床に尻もちをつく。

「ほんっとムカつくんだよっ!単細胞!首洗って待ってろ!」
「……。」

怒り肩で乱暴に床を足で踏み、去っていく二人組、何か恐い。

「ふぅー、トイレって良いよね、無駄な苦しみから解放されって何してんの?」
「首の部分って水道じゃーちょっと洗いにくいですね。」
「どうしたの、何かあったの?」



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