投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ディーナの旦那さま
【ファンタジー 官能小説】

ディーナの旦那さまの最初へ ディーナの旦那さま 59 ディーナの旦那さま 61 ディーナの旦那さまの最後へ

ガラス玉とダイヤモンド-4


「ぁ……」

 ほんの少しだが労わるような愛撫に、ディーナはホッとして、思わず吐息を漏らす。
 しかし、まだ腕は戒められたまま、カミルの舌が首筋を伝っていく。時おり音をたてて強く吸われ、ツキンと痛みが走った。

「あっ、ん、んっ! だんなさま……や、ん……そこ、じゃ……」

 一つ吸われるたびに、首筋へ赤い花が散っているだろう。
 普段なら、カミルは服に隠れない場所には痕をつけないのに……。
 ぬめる舌の感触に悶えながら狼狽するうちに、情交の証をまた一つと刻まれていく。

「はぁっ、旦那……さま……ごめんなさい。私、何か……」

 明らかに様子のおかしいカミルに、せめて怒らせてしまった理由を尋ねたかったが、暗闇から届く冷笑がそれを遮った。

「なぜ謝るんだ? お前が、俺を喜ばせるために頑張ると言うから、好きに扱っているだけだ」

「で、でも……んんっ!」

 突き放すような声音が、怖くて悲しいのに、鎖骨へカリリと歯を立てられる痛みにも、感じて嬌声をあげてしまう。
 シーツの上で足をばたつかせると、不意に胸の先端を強く吸い上げられた。

「ひっ、ああ!」

 弱い箇所への刺激に、ディーナは喉を反らせて高い声をあげる。

「相変わらず、いい声で啼くな」

 くくっとカミルが喉を鳴らし、舌先で固く尖った突起を弾く。

「っ、や、あ……ん……やぁっ、ああっ!」

 ささやかな膨らみをやわやわと揉みしだかれながら、交互に左右の突起を吸われ、湧き上がる甘い疼きにディーナは身悶える。
 胸を弄られる快楽が下腹へ直結して、脚の合間をジンジンと疼かせる。
 無意識のうちに太腿を擦り合わせてしまったのを、カミルにはしっかりと見られたらしい。下着を剥ぎとられ、閉じた脚の隙間に指をこじ入れられる。

「う、っ」

 グチュ、と粘着質な水音がたち、とっさにディーナは唇を噛んだが、カミルはそんな反応さえも楽しかったようだ。

「我慢したいなら、それでもいいぞ。こっちの音がよく聞こえるからな」

 わざと大きく音がたつように指を動かされ、下肢を疼かせる快楽と共に、卑猥な水音をたっぷり聞かされる。

「っ……ひ……ぅ、ぁ……ぁ……」

 蜜を塗りつけるように陰核を擦られ、必死で左右に頭を振るディーナへ、カミルが囁きかける。

「手荒に扱われても、こんなに濡れるのか。魅了もかけていないのに……随分と淫乱になったな」

 事の最中に、カミルが羞恥を煽るようなセリフを吐くのは珍しくないが、いつもの甘さが含まれたものとは違う。
 口調こそ一見楽しげだが、冷えついた声に、ズキンと胸が痛んだ。

「ふっ……ぅ……」

 快楽に潤んでいた目の奥が痛くなって、眦からボロボロと涙が溢れた。
 もしもカミルが本当に、たまにはこうした真似を楽しみたいだけなら、それでもいい。
 けれど、闇の中から聞こえる声は微塵も嬉しそうに聞こえなくて、こんなに近くにいるのに酷く離れているような気がする。
 堪えきれずにしゃくりあげると、カミルが舌打ちしてディーナの腕を離した。

「っ!?」

 いきなりうつ伏せにされ、何か熱くて太いものが唇に押し付けられる。
 滑らかな先端は少しぬめぬめして独特の匂いを放っており、これの正体にすぐ気付いてディーナは息を呑んだ。

 カミルに抱かれる時は大抵いつも、鎧戸だけ開けて薄暗い星明りがさしこんでいるか、ランタンがほのかに灯っている。
 最初こそ、星明りでも恥ずかしいような気もしたが、よく考えてみればカミルは、暗ければ暗いほどよく見えるのだ。それに薄闇ならば、ディーナも目が慣れてくればカミルを見ることができた。
 さすがに男性器を、まじまじと眺めたことはなかったけれど、ちょっとだけ手で握ったりしたことならあった。
 恐々と手探りで触れると、熱い肉茎がヒクリと脈動する。

「口を開けて舐めろ」

 冷酷な声で淡々と命じられ、ディーナの肩がビクンと跳ねた。
 こういう『ご奉仕』があると、市場で雑談ついでに聞いたことがあるし、それこそさっきまで頑張ろうとはりきっていたはずなのに、怖い。
 たじろいでいると、頭を押さえられて強引に押し付けられる。
 震える唇を薄く開けば、そのまま肉茎に割り開かれて、言葉を封じるように喉まで深くねじこまれた。

「ぅ、ん……ふっ……ん、くっ……」

 口いっぱいに押し込まれたものは、いつもこんなものが自分の中に入っているのかと驚くほどに大きい。息苦しいうえに、先端で喉をゴリゴリ突かれ、えづきそうになってディーナはとめどなく涙を流す。
 口腔を犯す肉茎を、反射的に吐き出そうと舌が動いた。

「初めてにしては、上手いじゃないか」

 わずかに上擦った声で言い、カミルがそっと髪をなでてくる。ディーナはまたビクンと肩を震わせたが、今度は怖いからではなかった。

(旦那さま……気持ちよくなってる?)

 口いっぱいに溢れてくる唾液をジュプジュプと鳴らして、血管の浮くゴツゴツした表面に舌を這わせれば、肉茎の温度と質量がさらに増した。
 それに気づいた途端、ディーナの身体が火照りを増し、下腹がキュンと切なく疼く。コクンと勝手に喉が上下して、唾液と先走りの混ざったものを嚥下した。


ディーナの旦那さまの最初へ ディーナの旦那さま 59 ディーナの旦那さま 61 ディーナの旦那さまの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前