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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 水曜日・針責 〜-1

〜 水曜日 ・ 針責 〜
 


 幼年学校時代の休み時間といえば、教室中がちゃぶ台をひっくり返したように騒がしかった。 中には未提出の宿題に取り組んだり、図書館から借りた本に耽(ふけ)ったり、窓の外を眺めたりする子もいたけれど、総じてお喋りと笑い声で満ちていた。 授業終了5分前からソワソワして、大したことを話すわけでもないのに隣同士で目配せして。 みんな、不思議なくらい盛りあがっていた。 私には友達とよべる存在はいなくて、いつも雑談の環の外にいたけれど、楽しそうなみんなを遠くから眺めているのは、決して嫌いではなかった。

 学園では趣が異なる。 5限が終わり、休み時間に入ったというのに、喧噪どころか私語一つない。 連続した電流責めの後では他人を気遣う余裕なんてない。 限界まで張りつめた神経が僅かに綻び、未経験の疼痛(とうつう)に苛まれた肌を慰めるだけの、味気も滋養もない憩(いこい)の時間。 そんな無味乾燥な時間など、あっという間に過ぎ去ってしまう。

 キーン、コーン、カーン、コーン。

 ガラリ。 カツ、カツ、カツ。

 見慣れた茶色いスーツにピンヒールで、教官が教壇の後ろに立つ。

「起立! 気をつけ、礼! ご指導よろしくお願いしますッ!」

「「ご指導よろしくお願いします!!」」

 私はすかさず号令をかけた。 続くみんなの唱和が揃う。 私たちが望むという形をとり、新しい責め苦の時間が始まる寸法だ。 傍から見れば愚昧極まる茶番でも、私たち当人は至って真面目。 つくづく救えなくて、笑いすらこみえあげる。

「これから扱う道具について説明しましょう。 机の上をご覧なさい」

 腰を下ろした私たちの目の前で、机の表板が反転する。 裏からは『水鉄砲』のような外観をした道具が現れた。

 今更ではあるが、この机はどうなっているんだろう? ある時は電流パッドが現れたり、ある時は浣腸溶液が現れたりと、その場で用いる器具が次々でてくる。 これら全てが内臓されているわけはない。 おそらく、机と床の連結部分から必要に応じて移送されているのだろうが、詳しい仕組みは見当もつかない。 机に限らず、この学園の設備の凄さは圧倒的だ。

「『ニードルガン』です。 使用方法はピストルと一緒。 違う点は、発射されるのが鉛玉の代わりに『アミドメラミンニードル』、通称『A針』なことです。 ニードルガンの先端に、A針が少しだけ出ています。 触ってみなさい」

 促されるまま、私は銃の先端に触れた。

「あっつ……!」

 慌てて指先を引っ込める。 不用意に伸ばした人差し指に、さしたる抵抗もなく何かがめり込んだのだ。 一見すると何もないところに、極細の針が隠れていたらしい。 ただ、すぐに手を引っ込めたせいだろうか。 血は出ていないし傷もないため、本当に針が刺さったか見ただけでは分からない。 しかも肝心の針自体が、目を凝らしても見つからない。 そんな私たちの疑問を見透かすかのように、2号教官は説明を続けた。

「『A針』は直径10マイクロメートル。 1ミリの100分の1です。 従って肉眼では感知できませんし、触ってもよく分からないでしょうね」

 見えない針、というわけらしい。 よくみると何か光ったような気もするが、正確に針があるとは、とても認識できない細さだ。

「素材はアミノ酸と尿素。 生体成分なので、体内に残されてもすぐに細胞内で消化されます。 1本あたり、10分もあれば綺麗になくなってしまいます。 極めて細いために、肌は当然としてその他臓器への損傷も考慮せずにすみます。 もちろん眼球や脳といった再生不能な場所は、微量の損傷でも影響が大きいため適しませんが、大抵の場所ならA針を刺しても問題ありません」

 しかも傷をつけない、という。
 けれどさっき突いたときは、確かに指先に痛みがあったが……?

「先端をつついて痛点が刺激された場合のみ、それなりの感触があるはずです。 普通の針が刺さったような痛みがあったはず。 ある程度痛点が密集した場所であれば、A針と通常の針は痛みに差はありません」

 淡々と続ける教官。 教官の言葉を頭の中で反芻すると、つまり、この『A針』は人体を傷つけず、痛覚だけを刺激するスグレモノだという。 ここに来て、私を含めたほとんどのクラスメイトは、この針の使途に想像が至ったことだろう。 心なしか教室の室温がグッと下がった。

「午前の講義で体験済みでしょうが、痛みと面積は密接に繋がっています。 大雑把にいって、刺激の強さを面積で割ったものが、痛みの『鋭さ』といえるでしょう。 即ち最も狭い『針』の先端が1つの痛点を刺激した痛みこそ、最も鋭い痛みということになりますね

「……」

 ゴクリ。 唾を呑み込もうとするも、既に口腔は乾きはじめている。

「閾値(いきち)を越えた痛みが脳にどう伝わるのか、この時間を通じて学んでもらいます。 具体的には手許の『ニードルガン』で、私が指示した場所に自分で『A針』を打ちこむこと。 深呼吸して、息を止めてから打つと堪えやすいと思いますから、各自工夫するように。 ちょっとでも躊躇ったり、汚い声をあげようものなら、私がじきじきに打ちこんであげますからね。 分かったら右手に『ニードルガン』を構えなさい」



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