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琴美のフェティシズム
【学園物 官能小説】

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胸の内側を見られて-3

「河西さんね、私が高校の時にセクハラされたりとか、胸のことで虐めにあってたりした時にいつも助けてくれたのよ。きっとあなたが何か困った時にも力になってくれるはず。それに…」

先生はいつも重要なことを話すときに耳打ちしてくる。

「河西さん、独りで寂しそうだから、時々一緒にいてあげて欲しいの。」

と先生は耳元で囁いた。

「最近、何かと仕事が多くてね…。一人でも手伝ってくれる子がいればなぁ…。」

と、どこか寂しそうに話している。

なんだか、河西さんという人を放っておくのは可哀想になってきたし、それに…私自身、胸のことで嫌がらせされたりすることは確かにあった。

「じゃあ…ちょっとだけなら、いいですよ。」

この人が、私の味方になってくれるかもしれないのなら。

「本当かい!?じゃあよろしく頼むよ。ええっと…君の名前は…」

「琴美です。」

「琴美ちゃんか、可愛い名前だね。よろしく。」

こうして、この日から用務員の河西さんの仕事をお手伝いすることになった。


河西さんの仕事は、清掃から校内見回りなど様々な仕事があった。河西さんは、私について丁寧に教えてくれたし、先生の言うとおり優しい人なんだなと、私は感じた。

「いやー今日はありがとね、琴美ちゃん。私の宿直室寄って行くかい?美味しいケーキを御馳走するよ。」

「え、ケーキ?」

用事が終わったらさっさと帰ろうと思っていたが、タダで美味しいケーキをもらえるとなれば話は変わってくる。

お言葉に甘えて、宿直室へと向かうことにした。

校舎の外れにある、古い木造の建物が河西さんの宿直室がある場所だった。

大量の鍵の中から即座にこの建物のドアの鍵を見つけた河西さんは、扉を開けて「どうぞ、入って。」と私を招き入れた。

靴を脱いで、畳の部屋に上がり込むと、布団が敷いてあり、小さなテーブルと、テレビにDVDレコーダーが繋いである。

部屋は綺麗に片付けられていて、くつろげそうな雰囲気だな、なんて思った。

「今コーヒー入れるから、そこに座って。」

河西さんは、そういうと奥にあるキッチンの方へと歩いて行った。

なんだか、一人暮らしの男の人の部屋にみたいなそんな感じがして、胸の中がざわついている。

「はい、どうぞ。お手伝いありがとさん。」

コーヒーと一緒にでてきたのは、美味しそうなモンブランだった。

「いっ、いただきます。」

河西さんが御馳走してくれたモンブランは想像を絶する美味しさで、こんなものが食べられるのなら、また河西さんのことお手伝いしてもいいかな、とか考えていた。

「琴美ちゃんが美味しそうに食べているところ、とっても可愛いねぇ。私は独り身だから、娘も孫もいなくてね。」

河西さんは、コーヒーを一口飲んで、

「蜜代ちゃんのことは、高校時代の時から娘のように可愛がっていたけど、琴美ちゃんはもう俺の歳だと孫みたいなものだね。」

本当の孫を見るような温かい目で私を見つめる、河西さんのその表情は、どこか切なそうなそんな印象を私は受ける。

保健室でも寂しげな顔をしていた河西さんの顔を思い出し、私は先生が言っていた「独りで寂しそう」という言葉の意味を考える。

満橋先生は、河西さんとお話してあげたいのに、自分の仕事があるからなかなか高校時代と同じようには話せなくなってしまって、きっと寂しいと思って、私に河西さんを手伝うように言ったのかな。

私はなんとなく、このおじいちゃんを放っておけないと感じて、これからもこうやってお手伝いしてあげようかな、なんて思った。

「じゃあ、河西さんのこと…おじいちゃんって呼んであげよっか?」

そしたら河西さんも喜んでくれるかな、なんて思いながらそう言ってみた。

「まだまだ、おじいちゃんって言われるような歳じゃない思っていたけど…なんだか、本当に孫ができたみたいな気持ちになって、すごく嬉しいね。」

河西さんは、寂しげな顔から一転して、孫と一緒にケーキを食べれて幸せそうなおじいち
ゃんみたいになっていた。

そして私も、本当の孫みたいに大切にされているような安心感があって、河西さんと一緒にいるのは嫌じゃなかった。

ケーキを食べて、宿直室のテレビを見てくつろいで過ごした。

「じゃあね、おじいちゃん。ケーキ御馳走様でした。」

「良かったら、またお手伝い来てね。宿直室に遊びにきてもいいし、琴美ちゃんなら大歓迎だよ。」

私はおじいちゃんこと、河西さんに挨拶をして、宿直室を後にした。






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