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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 水曜日・電撃 〜-3

 電流は神経を駆け抜ける。 これまでの痛みは、痛点の衝撃を神経が電流に変換して脳へ伝えていた。 一方で『電気鞭』の衝撃は、その刺激自体が脳へ響く。 靄がかかったように朦朧となる意識の向こうで、教官が無情にも2発目を告げた。 缶を保つこともできない不作法者には、何度でも鞭を見舞うというわけだ。 痺れて動けない私の左足首を掴み、無理に開いた膣を目掛けて鋼が撓(しな)る。

 ヒュパッ、ピシィ――。

 二度目の直撃に、私は抗する術を持たない。 へばった股間を電気が駆け抜け、痛みと衝撃で再度机に崩れ落ちるしかできなかった。 缶を保つ努力自体放棄して、またも膀胱がポカンと開く。 感覚的には失禁するも、尿は既に全て出尽くしていた。 尿道口をくぱくぱしながら、私は机に這いつくばる。 懸命に慈悲を乞おうとしたけれど、言葉も喋れず、痛みで動けず、下半身はすっかり私のコントロールを離れていて、結局何もできず、ビクンビクンと震え続ける。

 ヒュパッ、ピシィ――。

 三度目の正直にならないことは分かっていた。 三度ともまったく同じ流れで膝から崩れる。
 この『電気鞭』から、意思ではどうにもできない刺激があることを、私は学んだ。 血が滲むくらい歯を喰いしばろうと、決死の覚悟を決めようと、身体中の筋肉を限界まで硬直させようと、耐えられないものは耐えられない。 三度机に腹ばいになって、ヒクヒク痙攣する私のお尻。 2号教官は『私が知る中で最低のオケツです。 処置なし』と吐き捨てて、次の生徒に向かった。

 結局35人の誰一人として、頭に載せた缶を落とさず『電気鞭』に耐えた少女はいなかった。 カランと缶が落下し、教官が溜息をつく。 生徒張本人は碌に悲鳴も上げることができず、体験したことのない電撃に震えるのみ。 みんな仲良く3発ずつ、股間を起点にした電流に悶えた。
 
 1人1人時間をかけて鞭打ったので、既に15分が過ぎている。 一回りした2号教官が続いて取り出したものは、シェーバーのような機械だった。 手の中に握り込めるサイズで、長方形で、把手の先には剃刀の代わりに2本の突起。 教官が把手のスイッチを入れると、バチッ。 2本の突起間に電流が走る。 いわゆる『スタンガン』の簡易タイプだ。 教官が『ショッカー』と呼ぶこの機械はただのスタンガンではなく、突起は10センチから1センチまで伸縮自在で、狙った箇所にピンポイントで電流を流せるようになっていた。

 私だってスタンガンくらい知っている。 暴漢に襲われたりしたとき、相手に押しつけてスイッチを入れれば、高圧電流でたちまちKOするスグレモノだ。 ということは、暴漢が気絶寸前まで追い込まれる高圧電流を、これから私自身が受けとめさせられるのか? 身長150センチに届くか届かないかという、この私が?

 答えは『YES』。 ようやく電気鞭の痺れから立ち直りつつある私たちは、机の上で座位第5姿勢をとった。 仰向けになって足首を掴み、性器、乳房、顔まで一目に呈する姿は、屈服しつつある私たち学園生徒に相応しいと思う。 
 
 「ショッカーは電流が10段階に調節できます。 今日は最初ですし、レベルは【1】にしておきましょう。 各自10か所、電流を流しますから、一切口を利かず、今の姿勢を保持するように。 よろしいですか」

「「ハイ! インチツの奥で理解します!!」」

 カッカッカッ。 教官のハイヒールが床を叩く音が近づいてくる。 
 今度も私が最初らしい。 電気鞭の痺れの回復という点では、確かに最初にぶたれた私がもっとも早いので、理に適っていると思う。 それでも心がキリキリ軋む。 もしも私が二番目であれば、最初の犠牲者の様子から、ある程度覚悟もできるだろう。 正直にいって、いつも未知の痛みに晒される立場はキツイ。 どっちみち苦しむのならなるべく後がいいとも思う。 まあ、言っても詮のないことだし、委員長に任命された時点で、私が特別扱いになるのは分かっていた。

 昔から貧乏籤(くじ)ばかりひかされてきた。 生まれた時から親がいなくて、物心ついた頃から施設のお母さん役だった。 私にとって、不公平はもはや運命だと思っている。

 電気ショッカーによる刺激は、電気鞭とは全く質が異なっていた。 例えるなら鞭が『電流そのもの』で、ショッカーは『一瞬の激痛』といえば適切だろうか。 最初の刺激は二の腕だ。 カチッ、教官がスイッチを押した瞬間、腕の筋肉が硬直する。 筋肉にこれでもかと挟まれた神経の悲鳴が、電気信号となって脳を巡る。 生じた痛烈な痛みは、ゴムパンチに匹敵するものだった。

 けれど、私は声を噛み殺し、まんぐり返しの第5姿勢を保つことが出来た。 痛みはほんの数瞬で、すぐに雲散霧消したからだった。 ゴムパンチで打たれた患部は熱を帯び、ずっと耐えがたい腫れを伴っていた一方、ショッカーを押しつけられた局部は何事もなかったよう。 それは激痛を味わった身としては、いささか不気味なほどで、背筋を冷たい汗が流れた。

 腕に続いて、足首を握った右手の親指。 一瞬訪れる、針で貫かれるような激痛。
 今度は右足の親指。 体の末端が軋む束の間の電撃。 ただ痛み自体は左程ではなかった。
 脹脛(ふくらはぎ)が跳ねる。 筋肉が大きいからだろう、痛みが凄い。 もしも最初に脹脛にショッカーを受けていたら、間違いなく悲鳴をあげていた。
 太腿(ふともも)がキュッと縮む。 痛い、痛い、痛い、痛い。 でも、耐えればすぐ消えてくれる。
 


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