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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 水曜日・打撃 〜-1

〜 水曜日 ・ 打撃 〜


 私たちの教室があるC棟を降り、渡り廊下を抜けると下足棟だ。 靴を履きかえて下足棟を後にし、小グラウンドの脇をかすめながら、2号教官が書いた地図通り進む。 やがて『武道場』と大書した、厳めしい看板が下がった建物をみつけた。 建物自体は和風というわけでもなく、ごく普通の構造だった。 唯一床が畳敷きな点が『武道場』の名に相応しく思われる。 1Fにトレーニング室、2Fは小体育館になっていて、武道場とはいいながら、運動全般に対応した建物と見受けられる。

 Cグループ2組の中で、私が真っ先に武道場に着いた。 しかし、生徒の中では一番乗りだとしても、先客がいないわけではない。 既に2号教官は到着しており、正面奥の床の間に腰をおろし、いかにも武道場らしい『竹刀』を弄びながら、黙って入口を眺めていた。 どうすればいいのか正解は分からないけれど、畳といえば、昨日も畳敷きの部屋を経験している。 あの時どうしたか思い出せば、きっと今回に繋がってくるに違いない。 そう思った私は、教官が座る床の間をHR教室の正面に見立て、自分の席と思しき場所に腰を下ろした。 
 叱られなかったということは、満更見当はずれではないらしい。 座り方だが、武道場に相応しいということで、とりあえず正座することにした。 蹲踞を応用した第2姿勢も相応しそうだが、あの姿勢を長時間維持することは少々厳しい。

 座って待つうちに、おっつけクラスメイトが武道場の入口を潜る。 黙って正座する私にならってか、みんな静かに膝を揃え、冷たい畳に腰をおろした。 35名が7人5列に勢ぞろいして数分、教官が床の間から腰をあげ、3限開始のチャイムが鳴る。 教官の視線を感じ、私は全員に号令をかけた。 すかさず下りる『点呼』の一言。 がばっと起きざま、がに股の第3姿勢で数字を連呼する私たちは、すっかり躾けられたペットのよう。 頭で考えるより先に、身体が教官に迎合しているかのようだ。

「お前たちが身につけたかどうかは別として、痛みを伴う指導への礼儀は教えました。 指導の対象たる身体を、撃たれやすいように、素直に、即座に差出すことが1つ。 ジッとして指導に身を委(ゆだ)ねることが1つです。 この時間はそれらの応用として、動いてしまった場合の対応を学びなさい」

 竹刀で畳を小突きながら、私たちを見下ろす2号教官。 切れ長なまつ毛の下では瞳がキラリと無機質に輝き、まるで暗がりに潜む爬虫類だ。

「鞭やパドルのように、質量が控えめであれば、打擲されたとしても動かずに我慢できます。 しかし、ある程度重たい道具で、勢いよく打たれれば、これはどうしても動いてしまう。 そういうとき、お前たちは元の姿勢に素早く戻ることだけ考えなさい。 身体が痛むとか、バランスを崩したとか、寝違えたとか、骨が折れたとか、いろんな事情があるかもしれませんが、そういうことはどうでもよろしい。 改めて確認しておきます。 個人的な事情は一切考慮に値しない。 わかりますか」

「「ハイ! インチツの奥で理解します!」」

 返事は『ハイ』、肯定するのみ。 今日だけで何回目だろう、目の前がスーッと暗くなった。 
 教官がいわんとすることはよくわかる。 つまり、何かで叩かれ、身体を動かしてしまったならば、骨折しようが痛みに悶えようが関係なく、瞬時に元の体勢に戻れという。 そして再び叩かれる準備をしろときた。 叩かれる姿勢を維持した次は、叩かれる姿勢を自分から作れというわけだ。

 しかし、このくらいで意識を失うほどヤワな私達ではない。 要求された内容は無茶とは思うけれど、昨日のように汚物の中を潜り抜けるより厳しい事態だとも思えない。 教官に対峙しつつ、生徒同士で怯えを孕んだ瞳を交わすうち、私の中にはムクムクと意地が鎌首をもたげる。 自ら罰を受けろというなら受けて見せるし、懇願しろというなら乞うてみせよう。

 武道場の奥では、風紀委員の方々が何やら道具を取り出したり、畳に敷物を広げたりしている。 察するに教室から場所は変わったものの、指導形式は変わらないようだ。 つまり風紀委員に叩かれる生徒という構図が、武道場で再現されるということらしい。 10分の休憩を経て熱がおさまりつつある身体、特にお尻を庇いつつ、私は奥歯を噛みしめた。




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