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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 水曜日・鞭刑 〜-2

 風紀委員が私の下を離れ、教官の様子を恐る恐る伺うと、やはりというか、またしても別の鞭を振っている。 長い鞭の先に短い紐を結えた『牛追い鞭』だ。 痛みを与える目的ではなく、先端の紐を柔らかい皮膚に擦りつけることで、顔の向きを変えることができる。 古来、草原で家畜の動きを統制するために用いられた。

 一通り『一本鞭』が撓ったところで、新たに牛追い鞭をもつ風紀委員たち。 併せて教官から『顔の向きを変えつつ、英語で方向を叫び、センキュー・マスターと告げなさい。 ただし落ち着いて、騒がないように』とのこと。 『センキュー・マスター』は『有難うございますご主人様』とでも訳せばよいのだろうか。 そんなことを考える間に、頭上で追い鞭を振り回していたB61番が腕を伸ばす。 白い紐が鼻先をかすめ、私の頬を右へ薙いだ。 思わずゴクリ、唾を呑む。 あと5センチ深ければ、しなる鞭が私の顔をぶっていた。 
 こんなスレスレを迷わず振るう風紀委員たちの鞭の腕前は、凄いとしか形容できない。 

 見とれていると、やり直しが待っている。 顔ごとピッと向きを変え、乾いた喉で、勤めて平静を装いながら、私は告げる。
 『ライト、センキュー、マスター』
 『レ、レフト、センキュー、マスター』
 『アップ、センキュー、マスター』
 『アップ、センキュー、マスター』
 『ダ、ダウンッ、センキュー、マスター』
 幸いB61番の手元は一度も狂わず、私は頬に痣をつくることなく『追い鞭』から解放された。
 
 そうこうするうちに、時計の針は刻一刻と時間を刻む。 8時45分から始まった一限は、9時35分に終わりを迎える。 学園3日目ともなれば休憩時間のタイミングは理解した。 現在9時25分、そろそろ区切りが近づいている。

 そんな私たちの思いに気づいたのだろうか。 新しい道具を携えた教官は、教室にギリギリ届くくらいの小声で『これが最後の鞭かしらね』と呟いた。 籐(とう)製の極めて細い棒、いわゆる『笞(むち)』。 英語でいう所の『ケイン』は、教員の意に背いた生徒を懲らしめるために用いた、伝統的な拷問具である。 

  笞を携えた風紀委員たちが各列の先頭に並んだところで下された教官の指示は『自分の罪を告白し、お許しくださいと総括しろ』とのこと。 罪もなにも、私たちは何一つ悪いことなどしていない。 それをどうしろというのだろうか? 途方に暮れていると、パシィ、突きだしたお尻に笞が予告なく突き刺さった。 実際は叩かれたのだが、まるで針で刺されたかのような、強烈な一撃。 たちまちお尻に熱が集まり、私は舌を伸ばしながら、声にならない悲鳴をあげる。 そうこうする間に、またしても、パシィ。 地味な音に反して、これまでと違いずっと尾をひく痛みだ。 

 どうすればいいのか、正解は分からない。 もうこうなれば自棄だ。 何もないなら、作ればいい。
私は頭の中で自分の罪を作り出した。 私は鞭で懲らしめられるべき、淫らで変態な女なのだ。

 パシィ。 間髪いれず加えられた痛みに合わせ、
 『私はマンズリ狂いで、絶頂許可のことしか考えていません! お許しください!』
 とにかく叫ぶ。 お願いだから、これで赦して――喘ぐ私のすぐ横で、風紀委員がコクリと首肯した気配がした。 これで赦して貰えるなら、いくらでも自分を穢してみせよう。

 パシィ。 『私はウンコ製造マシーンです! 汚いウンコをブリブリだします! お許しください!』
 パシィ。 『私はクリチンポをシコシコしすぎて、ズル剥けクリチンポです! お許しください!』
 パシィ。 『私はチツマンコを弄りすぎたので、ドロドロに黒ずんでいます! お許しください!』
 パシィ。 『私のケツマンコは緩くて、臭いオケツガスをブウブウひります! お許しください!』
 
 もしも鏡があれば、お尻についた7本の赤味が、蚯蚓(みみず)腫れに膨れていく様子が観察できることだろう。 ジンジンと痛むお尻は、風紀委員が私の傍を去ってからも、一向にやわらぐ気配がない。 

 しばらくしてチャイムがなったが、私達に休息は与えられなかった。 一部で遅れた『笞』が執行され、クラス全員がお尻に蚯蚓腫れを作ったところで『終わりの号令』をするも、ちょうど号令に合わせてチャイムがなる。 2号教官は何事もなかったかのように、改めて『始めの号令』を促したので、私は委員長として号令をかけた。 
 
 つまり、休み時間はなし。 痛む身体に涙を湛えつつ、文句ひとつ言えない私たちは、次なる痛みの時間を迎えるのだった。


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