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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-35

「え?」
 しかし、ひとみがそれを拒んだ。抜こうとすると、悲しそうな顔をするのだ。
「で、でも」
 ひとみがふるふると小刻みに震える。首を振ったのだ。
 そして、目を閉じて、勇太郎への愛撫をさらに強める。
「わ、も、ほんとに………」
 勇太郎は、目がちかちかした。もう、開放のときは近い。
 つ、と、ひとみの舌が、陰茎の裏筋を捉えた。
「ぅ」
 びゅっ、びゅる、びゅる、びゅる………。その瞬間、ひとみの口腔内に勇太郎は射精(だ)した。ひとみは、それを全て受け止め、こくりこくりと嚥下していく。
「あ、無理に飲まなくても…」
 しかし、ひとみは目を閉じたまま、嚥下を止めようとしない。それどころか、鈴口の辺りを吸い上げ、出し切れていない精子までも飲みきろうとするのだ。
「ひ、ひとみ……」
 勇太郎は、心が熱くなった。もっと、ひとみを愛してやりたい。
「ン……はァ………」
 ようやく口を離したひとみを、勇太郎は抱き締めた。
「ひとみ、やっぱり、欲しい」
「うん。私も、勇太郎が欲しい」
 そして、影はひとつになる。そのまま、夏の陽射しに溶け込むように、艶やかな音色が風の中で舞い始めた。




 確かに、未だに官能の種火が燻ることはある。
でも、それ以上に、彼を大事にしたい想いがある。
身体を合わせるだけ、快楽を求めるだけが、恋人の形ではない。そのひとの心を、心から愛してこそ、恋人。
 今まで感じていた、不満とか不安とか、そういうものがひとみの中から消えていた。
「勇太郎……」
 今は、勇太郎の寝顔を見ているだけでも、心が満たされて、すごく気持ちがいい。
「好きよ、勇太郎」
 そして、ひとみは、愛しい人の無防備な唇に、何度目かのキスを贈った。


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