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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-175

終 章  TWINS & LOVERS 〜想い出は空に〜

(あ、あ、あんっ、あくっ、あうっ!!)
(ちょ、ひとみ……声、声)
同じ臥所にもぐりこんで、まるで秘め事のように身体を重ねあう二人。いや、実際のところ、やっているのは秘め事なわけで……。
(二人とも、起きちゃうじゃないか)
(だ、だって……あっ、あんっ……久しぶりなんだもん……ん、んっ)
胸の下で、可愛く悶える愛妻と、隣の部屋へと続く襖一枚を交互に見やる。悲しいかな男の業。張り詰めた欲望はそれでも褪せることはなく、腰の動きもとまらない。
(あ、あくうぅぅ―――……っっっ!!)
(わ、うわっ……声、でかいって……)
(よ、よすぎるんだもん……感じちゃって、がまんできないよ……あ、ああっ、あくっ!)
頭まで被った布団の厚さは、果たして愛妻の喘ぎを何処まで留めることが出来るか?
人の声というものは、しかも艶声というものは、かなり聞こえてしまうものだ。なにしろ、大学時代の安アパートでは、隣人の会話よりもはるかに大きなボリュームで、あはあはやってる声が聞こえたのだから。
(………)
確かに、ひとみと身体を重ねるのは、勇太郎も久しぶりだ。引越しのために多忙を極め、お互いにゆとりのある時間も気持ちもなかったため、かなりの間が空いてしまった。
(ああぁぁぁ!)
つい、腰の動きが激しくなるのも、無理からぬところである。しかも、敏感になってしまっているひとみがそれで大きく喘ぐのだから、ヘンなところで困っているのだ。
(ん、んむ――……っ!)
こうなれば、実力行使。その出所を塞ぐよりほかはない。ひとみの唇を深く塞いで、それでも腰の動きはとどめず、勇太郎は愛妻を遥かな高みへと導いていく。
(ん、んんっ、ンむっ、ンむ――――――………っっ!!)

 ぶるっ、ぶるぶるぶる……。

ひとみの身体が大きく震えた。エクスタシーを迎えたらしい。勇太郎はそのまま、収縮する胎内に身を収めたままで、3度ほど前後した後に、自分の遺伝子を妻の中へと放出した。
(ん、んんっ……んむっ、んむぅ……)
(〜〜〜………)
目がちかちかするほどの、強烈な射精。やはり、久しぶりの情交は、たまらないほどの快楽をもたらしてくれる。

 が、

「………おかあさん」
「「!!」」
 襖を挟んだ隣の部屋から幼い声が響いた瞬間、性情の高みにあった二人の意識はいっぺんに現実へと駆け下った。
放出今だ止まぬ勇太郎を腰から引き抜いて、ひとみは並んでいる隣の布団へと滑り込む。その身のこなし、さすがは護身術段位取得者。
すら、と襖が小さく開かれた。その隙間から、寝ぼけ眼で目元を擦る幼い女の子が顔を出していた。
「ま、麻奈、どうしたの?」
ひとみが、娘の名を呼ぶ。至極自然な表情を作って。……布団の下では、乱れた着衣をなんとか元に戻そうと悪戦苦闘していたのだが。
「……しっこ」
「わ、わかったわ。ちょっと待っててね」
状況が状況なので、衣服を着けたまま睦みあっていたから、すぐにそれを元に戻すことはできた。ひとみは寝床から出て、半分寝ぼけている愛娘・麻奈の背中を押すように、手洗いへと向かう。
(ま、まいったわね……)
夫・勇太郎が出したばかりのものが、胎内に溢れている。それが自重によってショーツの中に滲みだし、歩くだけで粘りついてきた。量が量なだけに、股の部分にできた冷たさは、きっと染みになっているだろう。


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