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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-124

『………

「あ、あの……いいの?」
「………」
 真っ赤な顔で佐織はうなずいた。臥所にうつ伏せになり、しかし瑞々しい臀部は高々と、宏好に向かって張り出している。
 両手で割り開くようにその尻肉を左右に引っ張っているから、中央に息づく薄茶色の窄まりがはっきりと見えていた。
「………」
 ごくり、と喉が鳴る。自分の手の中にある、薄桃色の無花果がやけに重い。
「い、いくよ……」
 その無花果の舳先を、窄まりへと近づける。
「ん……」
 固く閉じた蕾の中央に、嘴を当てると…、
「ん、んあ……」
 ず、と中へ押し進めた。得もいわれぬ手触りが、無花果の外皮を通して伝わってくる。
 灰色の快美感。身体の中からふつふつと湧き上がってくる衝動に従い、宏好は手の中にある無花果を握りつぶしてみた。
「あ、あ、あ……」
 外皮が潰れ、中に詰まっていた透明なエキスが、その舳先から佐織の腸内へと移動してゆく。
羞恥に火照る白い丘陵が、ぷる、と震えた。
「あ、ん……な、なんか……入ってきてる……」
 それはそうだろう、入れているのだから。本来ならば、一方通行であるはずのところへと。
「冷たい……ん……へ、へんな感じ……」
 佐織は、今まで必要以上に触れたことのなかった場所に感じる初めての挿入感に、背筋を泡立たせていた。
 ―――叔父と居間で話をした後……。佐織に淹れてもらった茶を馳走になり、すぐに宏好は自宅である本家へ戻った。夕餉の後、再訪したのだが、そのときには叔父・宏市はすでに書斎の人となっており、あわよくば続けようとした午後の話ができなかった。
 かわりに、頬を朱に染めた佐織が待っていた。その表情は、これからの蒸すような夜を想像している証である。
初めて夜を共にしてから1ヶ月は過ぎ、その間に何度となく肉欲を貪りあった。だから宏好も、この年上の恋人の表情から、その心理をある程度は読めるようになってきている。
若く健康的な肉体は、弾けそうなほどの肉欲も中に詰まっている。そして、関係を求めるのはほとんど宏好の方からだ。
だからといって、佐織が性に対して消極的かというと決してそうではない。
宏好が求めれば逡巡などはせず、その美しい肢体のすべてを晒してくれるし、いざ交合が始まれば、むしろ彼女の方が激しく宏好のことを愛する。それこそ、何かを吸い取るように、むさぼり尽くすように、だ。
愛らしさをたたえるその唇で、瑞々しく実ったその双房で、そして、果蜜が零れてきそうなほど熱く熟れている女の果実で……その全てを宏好に捧げて、淫らに性を燃やしてくれる。
貞淑な昼の顔、妖艶な夜の顔、そしてコトが終わった後にみせる恥じらいの仕草。宏好は、完全にその虜となっていた。
 しかし今夜は、少し違った。誘いをかけたのは宏好の方からであったというのはいつもと同じであったが、佐織の反応が少し鈍かったのだ。それで、乗り気ではないのかな、とやや熱したものが冷めかけたとき、佐織が言った。
『お願いがあるんだけど……』
『?』
『ひ、宏が嫌だったら……た、たぶんイヤだと思うけど……そのやめるけど……』
『なんだい? ねえちゃんの頼みなら、俺なんでも聞くよ』
『あ、またそんな呼び方……』
 宏好はわざと佐織のことをそう呼んだのだ。もっとも、対外的には恋人であると公言していないから、普段は“ねえちゃん”と呼ぶのは変わらない。ただ、二人でいるときは佐織のほうがそう呼ばれるのをとにかく嫌がるので、彼女のことを呼びつけにしていた。
これは、慣れるのに非常に時間を要したが……。
 話が逸れたようだ。
 宏好は、伏目がちに恥じらっている佐織を促す。滅多にない、彼女のおねだりだ。どんなことを求められても、叶えてあげるつもりでいた。


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