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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-123

「やるよ。燃料にするのは、いささかもったいねえ。それで勉強しな好坊」
 な、なんのですか? とはさすがに聞けなかった。
 ふいに、どさりと宏市が横になった。何事かなと、その顔の方を覗き込むと、叔父らしくない、遠くを見るような寂しげな表情をしている。
「なあ、好坊……ウチの佐織と、お盛んらしいな」
「!?」
 なんで、知っているの? その問いも、言葉にはならなかった。
「佐織の様子を見りゃわかる。これでも、娘の親だぜ俺は」
「………」
「俺はかまわねえ。むしろ、好坊なら嬉しいぐらいだ。……でもな」
 むくりと、起き上がる。
「恋が全部、女のおっぱいみたいに、たわわに実るモンだと思っちゃいけねえ」
「な、なにを……」
 叔父が言いたかったのか。このときは、宏好には理解できることはなにもなかった。………』





「まあ……こうなるんじゃないかと、思ってはいたんだけど」
 トレジャースタジアムの入り口を前に、勇太郎は呟いていた。
「おはよう、轟」
「は、はは……おはようさんです」
 勇太郎とひとみ。そして、兵太とふたみ。家を出る時間が違ったとはいえ、その行く先が全く同じならば、この偶然は既に必然である。
「ふたみ、可愛いじゃない」
「う、うん、ありがとう……ひとみちゃんも、オシャレだね……」
 お互い、こんなに装っているのは久しぶりというか、初めてかもしれない。
「ねえ、轟。弓子さん、今日はいるの?」
「ええ。非番じゃないゆうてましたから」
 当然のように答えて、ふと兵太は首をかしげる。
「あれ、勇太郎はん? オカンがここにいるって、ワイ言いましたっけ?」
「ううん。……これをくれたの、弓子さんなんだ」
 勇太郎は、ペア優待プラチナチケットを兵太に見せる。
「じいさんのところに手紙を送ってくれてさ。その中に入ってたんだ」
 そして大事そうに、チケットを眺める勇太郎。
「はぁ〜……オカン、勇太郎はんのこと、よっぽど好きやったんですな」
「お礼を言いたいからさ……『ブラッドハウス』にいるって聞いたけど」
「はい、そうですわ」
「じゃ、最初に行こうかな」
 いいよね? と勇太郎は、ひとみに視線で問う。もちろん、とばかりに彼女は頷いてくれた。
「せっかくだから、そこまでは一緒に行動しない?」
「ああ、そうでんな。そうしましょか」
 いいでっか? と兵太は、ふたみに笑顔で問う。もちろん、彼女も頷いていた。
「じゃ、決まりね」
 締めはひとみの手を弾く音。二組の男女は、仲良く並びあって、トレジャースタジアムの入場口へ向かうのであった。


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