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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-11

「段階は踏んでいるんだよね」
 ただ、それが急加速だなあ、と湯船につかりながら勇太郎は思う。コトが終わったあと、すっかり汗まみれ液まみれになったふたりは、仲良く入浴と相成ったのである。
その日のうちに告白し、キスをし、身体を重ね、一緒に風呂に入る。まさに、盆と正月に加えてGWとクリスマスがやってきたような、とてもいい気分だ。もっとも、その始まりは、とてつもないものだったのだが。
「う〜、痛い………」
 一方でひとみは、股間を気にしては唸っていた。好きな相手に捧げた処女喪失の悦びの代償を、しばらくは身をもって味わうことになろう。
「でもでも、気持ちよくなるよね」
 ひとみは、おろした黒髪の水滴を払いながら、勇太郎の方を向いて笑った。
 その仕草に、勇太郎は、また動悸を烈しくする。
 そ、とひとみの腰を抱き寄せ、顔を近づける。ひとみも、勇太郎の言葉と行為を待つように、その瞳を潤ませた。
「ね、ひとみさん」
「………」
 キスしたい、と言おうとした勇太郎だったが、ひとみの機嫌が急に悪くなっていることに懸念を覚えた。
「あの、ひとみさん?」
 もう一度、話し掛けてみたのだが、今度は明らかにそっぽむいて、頬を膨らませて、拗ねたような面白くない表情になってしまった。
 何がいけないのか? 勇太郎は、少しずつ不安の波紋を広げてゆく。
「ひとみさん?」
 取りあえず、恋しい人の名を呼ぶ。
「なぁに、ゆ・う・た・ろ・う」
 ひとみが、名前の部分をことさら強調して言葉をつなげたとき、勇太郎ははたと気づいた。
「え、え〜……ひ、ひとみ」
 女の子を、ファーストネームで呼びつけるのは、初めてかもしれない。そうおもいながら、勇太郎は、しかし、ひとみが求めることはしてやりたかった。
 それは、勇太郎にとっても気持ちが良いことだから。
「うふふ」
 名前を呼ばれ、勇太郎が自分の意図に気づいてくれて、ひとみはとても嬉しかった。身体を重ねたことで深まった気持ちが、いっそう強くつながった気がする。
「キス、したい」
「うん、私も!」
 勇太郎の願いに、ひとみが一杯の笑顔を浮かべて、その唇を重ねてきた。
「これから、よろしくね、ゆうたろう!」


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