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紡ぐ雨
【SM 官能小説】

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志津絵-25

「して……犯して」
「え……」
「早く、早く挿れて」
丈太郎は梅林を見た。目はキャンバスを捉え、妻を見ようともしない。
丈太郎はゆっくりしゃがむと、くっきりと残った縄の跡をさすってやった。指先に縄目の荒さが伝わる。
「これがあなたの望み?」
志津絵は頷く。
「これであなたは満たされる?」
頷く。

丈太郎は志津絵の髪をかきあげると、自分も横になって志津絵の唇をゆっくりと吸った。上唇を吸い、下唇を噛んだ。舌を絡ませ、舌も吸う。
志津絵の呼吸が荒くなる。
割れ目を触ると、すでにぐっしょりと濡れていた。
乳房を舐め、乳首を思い切り吸った。志津絵の体がびくびくと震える。丈太郎は自分も服を脱ぎ、横になったまま自分のペニスを咥えさせた。丈太郎は志津絵の太ももに顔を突っ込み割れ目に舌を入れる。
くちゅくちゅと音を立てて、志津絵は懸命にペニスをしゃぶる。
後から後から、志津絵の愛液が溢れて来る。
この人は今、心から感じているんだ。じゅるじゅると音を立てて、志津絵のそこを吸ってやった。
 
志津絵をうつぶせにし、後ろから突き刺した。
「ううううっ!!!ああ、ああああっ」 
丈太郎は腰を掴み、前後に激しく腰を振った。
あああっ!!!あああ、もっと!!もっと!!!
志津絵は悲鳴にも似た声を上げる。
丈太郎はおかしくなりそうだった。
突き上げるたびに、志津絵は歓喜の声を上げている。
志津絵の肉が、彼の肉棒を咥えて離さない。
「うう……」
丈太郎は懸命に堪えた。もっと志津絵を喜ばせたかった。
「続けろ……止めるんじゃない」
 薄暗い部屋に、志津絵の吐息と梅林の声が響いた。
丈太郎は志津絵を突きながら、おかしなことに大学で受けた講義の内容を反芻していた。そうでもしなければ、すぐにいってしまうからだ。

 志津絵の体は飽きると言うことを知らないかのようだった。
大きな波が来て登りつめたかと思うと、また体は落ち着き次の波を待つ。
血流が滞った志津絵の腕が冷たくなっていることに気づいた。
丈太郎は縄を解こうとしたが、結び目はきつくとても手では解けない。
仕方なく、縄を切って志津絵を解放した。

ふう……
志津絵が床の上に仰向けになり、大きく胸を上下させて息をしている。
「苦しかったでしょう……」
「いいえ……私には。その苦しみが快感なのです」
 体に残る縄の跡を慈しむように指先でなぞっていた。
「先生がお待ちです。続きをしましょう……」
丈太郎は志津絵に覆いかぶさると、再び行為を始めた。

「あああ……ああっ、せ、先生……」
志津絵爪が丈太郎の背中を掻き毟る。
ここに来てなお、志津絵は丈太郎を見てはいなかった。
わかっていたのだ。
この人は、この先誰に抱かれようとその男の向こうに梅林を見るのだろう。
この二人を紡ぐ糸を断ち切ることは、誰にもできない。
「志津絵、志津絵……」
激しく突き動かしながら、丈太郎は彼女の名前を呼んだ。




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