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【その他 官能小説】

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そして、本番-4

「はいはい、それじゃあ田所様入られますからね」


そんな和気藹々ムードを手を叩いてたしなめた傳田は、まるでお母さんのよう。


そして彼女は、ドアを押さえながら向こうにいる田所さんを招き入れた。


コツ、とヒールが床にぶつかる音が響き――。


本日の主役が現れた瞬間、俺達は彼女の可愛らしさにホウッと感嘆の声をもらした。


田所さんは、元々女の子らしい可愛い娘だった。


素材が抜群に良かった彼女は、そんなにいじらなくとも充分だろうと思っていたけど、ヘアメイクの傳田にかかれば、その魅力はいつにも増して磨きがかっていた。


いつもの可愛さに、さらに割増した透明感、それだけじゃなくほんのりと色気を感じさせる田所さん。


白地に淡いグレーのストライプシャツに、レースの白いミニスカート。


第2ボタンまで開けた襟元と、捲った裾から覗く細い手首、ミニスカートから伸びる白い太ももが、清楚なのにどこかエロチックだ。


面接時はストレートのセミロングだった髪は、緩く巻かれて、これまた田所さんの柔らかい雰囲気に合っているし、あくまで田所さんの素顔を活かしたナチュラルメイクも、すごく似合う。


少し不安そうにこちらをチラチラ見つめる田所さんに、俺はニッコリ笑って握手を求めた。


「田所様、本日は宜しくお願い致します」


「あ、こ、こちらこそ……」


「とても綺麗ですよ」


「やだ、そんな……」


照れた田所さんの頬に乗せたバラ色のチークが、より色濃くなったような気がした。


「いえいえ、マジっす! 超可愛い! こんな可愛い娘とエッチできるなんて、社長がうらやましいっす!」


身を乗り出して田所さんに話し掛ける取手をたしなめるため、そのチャラそうなミディアムショートを後ろからパシンと叩いた。


「しゃ、社長……痛いっすよー」


「お前は、お客様に馴れ馴れしすぎ」


叩かれた場所を擦りながら口を尖らせる取手に苦笑いになる。


取手は明るいし、ムードメーカーになっているが、23歳という若さ故か、若干礼儀知らずな所がある。


これでも随分ましになった方なのだが、依頼人のレベルが高かった時はこんな風にテンションが上がり過ぎてしまうのが玉にキズなのだ。






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