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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 処置 〜-1

〜 処置 〜




 A棟には『保健室』がある。
 いわゆる『保健室』は、身体的不調を訴える生徒の面倒を見るが、学園の保健室は色合いが異なる。 自ら望んでくる者は皆無といっていいだろう。 『保健室』を利用した回数は指導要録に記載され、減点対象になる上に、利用したこと自体が指導対象になることもある。 ケアといっても、優しく労(いた)わる要素はない。 激しい指導によって身体的ダメージが残った場合、外傷の程度を判断したり、内臓の傷を見極めたりするだけで、精神的には決して安らぐ場所ではない。 総じて一般生徒が好んで来る場所ではないのが、学園の保健室がもつ特徴といえる。

 私が訪れたとき、保健室には保健委員長のA9番、そして30番がいた。
 保健室担当の保号教官(講習室担当の補号教官とは別人)は席を外しているらしい。 代わりに保健委員長が30番の処置をしていた。 

「……」

 保健委員長と会釈をかわす。 生徒会の保健部門を束ねる長だ。 重度のケアを必要とする生徒であれば、保健室担当の保号教官から指示を受けて加療することが認められている。 また、それほどでもない生徒であれば、自分の判断で加療ないしは指導をする裁量が認められていて、学園の生徒でありながらも教官から一目置かれる存在だ。 

「……失礼します」

 基本、生徒会の面々は無駄口をきかない。 口は災いの何とやら、お喋りのデメリットを皆よくわかっている。 

 30番は『消化管洗浄』の姿――海老反りにしばられ、手足を括って天井から吊るし、鼻には点滴用チューブを連結、口と肛門には開口器を噛ませたうえでホースを挿した体勢――で荒い吐息をはく。 ホースの先は廃液タンクに繋がっていて、黄色っぽい吐瀉物と、赤黒い汚物が溜まっている。 その量たるや、50Lのタンクが既に半分以上嵩(かさ)ばっている。

 30番は、肛門から5分毎に生理食塩水と浣腸を、鼻からは1分毎に胃腸薬と大量のスクロース溶液を無理矢理抽入されているのだ。 スクロース溶液によって食道、胃にこびりついた汚物が流される。 小腸ではスクロースのみ吸収されて、飲み込んだ汚物は水分とともに大腸へゆき、ある程度大腸に溜まったところで浣腸液に刺激されて排泄する。 口、喉、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、結腸、肛門と続く消化管を洗浄するには最も理にかなった処置である。

 ただし、この消化管洗浄は、当たり前だが本人の意思を踏まえてはいない。 鼻に刺さったチューブはちょうど咽喉まで伸びていて、30番は1分毎に甘ったるい液体を直接喉に浴びせられる激痛に耐えなければならない。 何しろ生徒本人にはこの処置の目的も液体の中身も知らせないため、大概の生徒は吐きだそうと試みる。 そうさせないためには、吐くことを思いつかないくらい激しく液体を注入しなくてはならず、結果として消防ホースレベルの水圧に至っている。 万が一呼吸するタイミングでスクロース溶液が流し込まれようものなら、たちまち窒息に追い詰められるだろう。 咳をしようがむせようが、液体の流入は止まらない。 となると、ひたすら自分を無機物にやつし、液体を飲み続ける人形となることが求められる。 
 吐きだしたい生理欲求を抑えるのは容易ではない。 現に30番の整っていた顔立ちは、涙と鼻水で見る影もない。 既に声は枯れ尽きているのだろう、微かな呻きすらホースの奥からは届かない。 私が命じた補習とはいえ、こういう処置をしなければならない汚物補習には、諸手を挙げて賛成する気分にはならない。

 消化管洗浄は胃袋許容量の7割又は大腸の4割を汚物が占めた場合に実行される措置だ。 汚物の消化は大量の糖分を消費するし、消化物に含まれる不要物の処理で肝臓に大きな負荷がかかる。 また、もともと人体に含むことが好まれない尿素の類を消化するために、食事時の20倍以上も小腸柔毛を更新しなくてはいけない。 このような状況を大量に継続してこなせるほど人体に応用はきかないため、どのような状況にしろ、上記の量を体内に納めた生徒は内容物をリセットする内規になっている。 それは、補習といえでも例外ではなかった。

 と、保健委員長が鼻チューブに繋がる装置を操作する。

 ピュルルル……シュゴッ。

 新たなスクロース溶液が、限界まで広げた鼻の穴から物凄い勢いで飲まれてゆく。 

「……えうっ、えっ、かはっ……」

 30番がかすかに痙攣し、つられたままゆっくり揺れる。 
 ゆらーり、ゆらり。
 とうに抵抗する気力はなく、生理的に反発する生命力も残されていない、哀れなオブジェ。

 一部、食道に収まらなかった分が鼻から口腔へ逆流し、ホースを通って吐きだされる。 残りは食道に直下し、既に蠕動する気力もないであろう胃袋を満たし、ジワジワと腸へ流れるのだ。 気道に入らなかったことを確認すると、保健委員長は肛門側の装置を触る。 

 ピュルルル……ブチュウ。

 赤いゼリー状の浣腸液が、ぽっかり広がったままの肛門に、ゆっくりゆっくり侵入する。 

「……」

 恥じらう素振りは皆無。 というより、30番は何のリアクションも取らなかった。 ゆらゆら揺れながら、赤にほんの少し黒が混じり、粘度も随分さがった浣腸液を、今度は肛門からホースを通って排泄する。 色合いからは、既に30番の腸内が相当なレベルまで洗浄されたことが伺い知れる。 ただし、息むことも気張ることもなく、ただ単に入れられたものを垂れ流す様子には、排泄という人間の生命維持のための行為がもつ尊厳が微塵も感じられなかった。



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