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トーキョーJane Doe
【女性向け 官能小説】

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出会い-1

無性に苛立っていた。
毎年この時期はそうなのだ。
新入社員−−−入社してひと月になろうと言うのに、頭の中はまだ学生のままだ。社会に対してどれほどの理想を持っていたのかは知らないが、いや、理想なんて高尚なものを持ち合わせているやつがいれば見上げたものだ。
とにかく使えないガキばかりだ。
仕事の内容を言っているつもりはない。それこそひと月やそこらで仕事をこなせたら、10年以上在籍して、まだ模索しているような俺は最早クズ同然だ。

「〜とは思わなかったんっすよ」
「なんかメンドイですよねー。アポ取ってんのに会えないとかってなんなんすか、これ」
その無駄足が給料の大半を占めていることに気づく頃には、やつらの大半はもう会社にいないだろう。
「先輩のやり方って、なんか納得行かないんすよね。自分、学生頃バイトでSV経験あるんです。人の使い方はわかってるつもりなんで」
「そうか。ならもう同行はしないから君の思うとおりにやってくれ。ただ、時給で働いてた頃と同じ感覚でやれると思うなよ」
「え?なんですか、それ。マジですか?新人教育担当なんだから、最後まで責任持ってくれなきゃ困るし。コンプライアンス的にどうなんですか」
「コンプライアンスなんて言葉を使う前に、自分の口の聞き方を考えるんだな。俺は俺で仕事を山ほど抱えてるんだ。口先しか動かさないやつの面倒を見る暇はないんだよ」

その後は課長に呼ばれて説教だ。
新人ひとり雇うのに会社がどれほどの経費を使っているか。今ここで辞められたら、その経費も回収できないままだ。
君の気持ちもわからんでもないが、アレでもSPIは高得点だったと聞いている。

知るか、バカ野郎。
そうだ。この苛立ちも、給料の内なのだ。

気を紛らわせたいと思った。
家で飲むのも構わない。が、家の中にこの腹立たしさを持ち帰るのはもっと癪だった。同僚と飲む気にもならなかった。
「仕方ないだろう、俺たちは社畜なんだから」
結局そうやって終電に駆け込むだけだ。

うるさい店はごめんだった。
それこそ入社ひと月で、社会の不条理をすべて見知ったような連中と居合わせたらたまったものではない。
一杯ひっかけて、気を静めたら帰ろう。

そう思って、ショットバーの扉を押した。


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