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運命という名の恋
【女性向け 官能小説】

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「ごめん早く歩きすぎた?」
「いえ。新しいミュールが嬉しくて。
ストッキングを脱いだのが悪かったんだと思います」

シュンとしてそう言うので少しおかしくなって
「ここで待ってて」と
店を出てドラッグストアで絆創膏を買って戻ってきた。

「足を出して」
再び足元にしゃがみ込めば
「自分で出来ます」
と慌てたけど
「いいから」
と靴を脱がせた。
少し冷たい足先をきれいな色のペディキュアが塗ってあった。

かかとを包むように持って、靴ズレの部分に絆創膏を貼る。

「冷たい足だな」

そういって両手で温めるように足を包んだ。
「え。あの。ごめんなさい」
いきなりの行動にびっくりしたのかそう言うと
「ありがとうございます」
ときれいにお辞儀をして礼を言う。

「あ。ごめん。触られるのいやなんだっけ」

あわてて手を離せば
上杉さんが困ったように笑いかけた。

「いえ。いやじゃなかったです。ありがとうございます」

お兄さんに触られているのと同じ感覚だからか?
とにかくほっとして駅で別れたけど。

上杉さんのきれいな足先のペディキュアの色が
いつまでも忘れられなかった。




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