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飛べない鳥の飛ばし方
【ファンタジー 官能小説】

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植物園へいこう-4


(……植物園、か)

 城に無数にある秘密通路が植物園に繋がっていたな、とジルは考える。
 実はこの通路がひとつだけ異色なのだ。
 他の通路は人気の無い公園や裏路地に出口があるのに、このひとつだけが植物園建物内部に繋がっている。
 確かに、植物園は国が管理している施設だが、他の施設には繋がっていない。
 しかも、他の通路よりも頻繁に使用しているようだ。
 しかもしかも、頻繁に使用しているのはカウル=レウム王、その人。
 金色の鱗や髪が結構落ちてるし、通路内にはカウル=レウム王の臭いが充満していた。

「どうかしましたか?」

 考え込んでしまったジルに、リョウツゥは不思議そうにする。

「あ?ああ、いや、お前の仕事見てみたいなぁ〜って」

 適当に答えたジルにリョウツゥはパアッと顔を輝かした。

「ぜひ!ぜひ来て下さい!」

「お、おう」

「植物園初めてですか?ご案内しますね!本当に素敵なんですよ」

 まさかこんなに食いつくとは思っておらず、ジルは若干の胸の痛みを感じる。

「最近、緑の地域の菌類コーナー作ってるんです。公開はまだなんですけど、特別にお見せします」

「おう」

 まさかカウル=レウム王に繋がる手掛かりがあるかもしれないから行きたい、とは勿論言えずにジルは少し気まずそうに視線を反らした。

「あ、茸とかは興味ないですか?」

「え?あ!いや」

 微妙に元気がなくなったリョウツゥにジルは慌てて顔を上げた。

「まあ、正直あんまり興味はないけどお前が頑張ってる仕事見たい。楽しみにしてる」

 隠す事は出来ても嘘がつけない性格なので正直に答えると、リョウツゥは嬉しそうに笑う。

「はい」

 その笑顔は本当にとても嬉しそうで、ジルはジクジクとした胸の痛みを誤魔化すように炭酸のきついジュースを一気に飲み干した。

ーーーーーーーーーーー

 何日かしてジルは植物園に来た。

(改めて見るとデケェなぁ)

 今まで特に気にした事無かったが、植物園にしては大きい気がする。

「ジルさん」

 正面玄関でボケッと建物を眺めていたら、リョウツゥが小走りに駆け寄ってきた。
 リョウツゥは、ピンク色のツナギを着ている。



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