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虹色の楽譜
【女性向け 官能小説】

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お互いが同時に恍惚の波に乗った時
お互いにお互いを感じあった。

「んはぁぁ・・・・あ・・・・あ・・・」

私の中で自分を解き放った奏くんとともに
ゆっくりと私たちは意識を現実に引き戻した。

「愛してるよ」

それでも、その言葉を呪文のように唱える奏くんに
「うん・・・うん」
としか返事が出来なかった。

私と出会った事の意味が、あなたの音に色を付ける事ならば。

喜んでその意味を、その役で満足しよう。

あなたと出会った事の意味が―――
もし、本当にあるのなら。

あなたを日本という籠から出す事だったと納得しよう。

さようなら。
大好きだった。

進行形にはしない。
過去形にするよ。

あなたに私を負担だと思ってほしくないから―――

その日が、私と奏くんが会った最後の日だった。


奏くんは2ヶ月後、希望した音楽大学へ留学した。
日本の音楽大学は休学ではなくて退学して。
渡航前にそう、電話してくれた。

さようなら。
大好き・・・・だったよ。




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