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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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区切りを…-2

いつもと変わらず他愛もない会話で盛り上がるクラスメート達。

椅子に腰を掛け机に肘を付き手を頬につけ、窓の向こうに視線を置く。

「……。」

彼はもうただの友達、恋人でも何でもない。

昨日、巴ちゃん達と喫茶店で会話をし、そう決意を固めた。

恋心何て抱いても何にもならない。大丈夫、彼はただの友達、ただのフレンドだ。

大丈夫、私なら出来る。

「柊さん?」
「!?」

突然机に手を付き、私の視界に顔を覗かせる佐伯君。一瞬心臓が飛び出るかと思った。

「あ…ゴメン、驚かせちゃった?さっきから呼んでるんだけど聞こえてないみたいだったから…。」
「え。」

私が彼に物思いに老けていて、つい周りの声が聞こえてなかったようで。

「私の方こそ…。それで、何ですか?」
「今日、学校終わったらさ、一緒にラーメン食いに行かない?」
「えっ!?」

それって、私の事を…。

「モチロン、友達も一緒だ。蓮や巴も誘って。」
「えっ…あ、あぁー、そう、ですよね…。」
「?」

やだ、私ったら…、そんなの…当たり前じゃない。何、思い上がってるのよ。

「で?どうすんの、行くかい?」
「あ……そ、その。」

どうした若葉。友達として接するんだろ?ならここは。ヘイ!モチロン行くぜブラザー!
って言う所だろっ!

「?柊…さん?」
「ん……。」

駄目だっ!声が、出ない。

胸がドキドキし出した…、やめて!止まって!…そんな風になったって何にもならない。

「大丈夫?具合、悪いの?」
「………。」

何か、視界が歪んできた…、彼がせっかく声を掛けてくれてるのに、何も言い返せない。
完全に、変な人って思われてる……。もう、駄目…。

私は吹っ切れるように机を思いっきり叩き、同時に席から勢い良く立ち上がり…。

「!柊さんっ!?」

そしてそのまま逃げるように避けるように、教室から立ち去った…、彼の呼び止めも一切聞かずに…。

あぁ

あぁっ!

私って本当に馬鹿っ!…意気地なしで小心者!

何が大丈夫、よ!何がもう気にしてない…よ!

全然駄目じゃないっ!

嘘はつくわ、彼に失礼な事はするわ、克服も出来ないわ…。

「うっううっ。」

して、すぐ泣くわ…。

「もう、やだ……。」

人の視線も気にせず、力無く、廊下の壁に身を寄せる。

「若葉?」

巴……ちゃん。


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