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『別れたあなたともう一度』
【青春 恋愛小説】

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『別れたあなたともう一度』-1

『ごめん。。別れよう』
『俺のドコがイヤだった??』
『あなたは悪くないの……』
『正直に言って。別れたくないんだ』


今までにこんな別れ方を、何度繰り返してきただろうか。
浮気とか、二股とか…よく耳にする時代に、まさか
『2年前に卒業した先輩を忘れられないの』
なんて、信じてくれるだろうか……?


私はあの頃、純粋に先輩を好きだった。
同じ部活だった先輩は、よく言う秀才。勉強も出来て、スポーツ万能タイプだった。
でも、所詮私は一人の後輩。2つ年下の、小学校を出たばかりの女の子。
先輩の恋愛対象にもならない私は、自分に『この気持ちは憧れで、「好き」とは違うんだ』と、言い聞かせていた。
だから忘れようとした。タメの男子も、1つ年下の後輩とも、付き合ってみた。

あの時の彼氏も楽しかった。一緒に映画観たり、相合い傘してくれたり、プレゼントあげたり、くれたり……
私を好きでいてくれてた。

私も彼等を、好きだったと思う。


でも、先輩を憧れだと思い続けていた頃と変わらない習慣が一つだけ…あった。

どの彼氏と帰る道も同じ。
先輩の家が少しだけ見える、あの道。

罪悪感を感じながらも、帰る道はいつも変わらなかった。いや、変えようとしなかった。

そして必ず、先輩の家を振り返って帰る。

それを繰り返してきた毎日。。。
自分がイヤな女だと言われてもしょうがないと思う。でも、止められなかったんだ。
本当は、気付いてた。
横にいる彼氏より『先輩』が好き……



彼氏がいなかった一年前。先輩から関係を切られた。一方的だった。

私がいくら泣いても、誰もきっと同情してくれない。



空白の一年間は、ポッカリと穴が開いた様な日々。。
立ち直った様に自分を思わせてたけど、本当の私はそんな単純じゃなかった。
どこかで先輩を探してた。
いつか私が彼氏に言わせてたみたいに
『私のドコがイヤだったの?』
って聞きたかった。


そして一年たった今、先輩からメールが来た。
『あのトキは悪かった。またメールしてくれないか?』

私はその時『私が待っていた幸せってこのコトなんだ』と思えた。生まれて初めて嬉しくて泣いた。





今、私は
手を繋いで
先輩と歩いている。


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