投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

主婦亜沙美の生活 2nd season
【熟女/人妻 官能小説】

主婦亜沙美の生活 2nd seasonの最初へ 主婦亜沙美の生活 2nd season 8 主婦亜沙美の生活 2nd season 10 主婦亜沙美の生活 2nd seasonの最後へ

恋愛-1

3月最後の水曜日。
今日の天気も穏やかだった。

白のブラウスにネイビーのタイトスカート、ベージュのトレンチコートを着た私は鏡の前で入念に最終チェックしていた。

テーマは清楚で上品な30代。

そんな出掛けの支度している中、iPhoneが見知らぬ番号からの着信を知らせた。

「もしもし?」

恐る恐る出てみると賑やかな騒音の中、さらに賑やかな声が聞こえた。

「あぁっ!後藤さん?」

「ええ…」

「私。岡部よ。ごめんなさい。
突然電話して。
でも良かったわ。昔、登録してた電話帳を残しておいて」

捲し立てるように電話の向こうの美紀が話す。

「ええ…まぁ…」

適当に相槌を打つと美紀は

「それでね。後藤さん、今度の火曜って空いてる?昼間。
うちの旦那の先輩で高杉さんっているんだけど…
あ!そうそう、フラダンスの発表会の時、会ったわよね?

思い出した!
あの時は無理矢理誘ってごめんなさいね。
高杉さんとうちの旦那がどうしても誘えって聞かなくってね〜」

「はぁ…」

「っで何だっけ…。
そうそう、高杉さんからお花見に誘われててね。
彼ったら後藤さんも誘ったら?って言うのよ。

そんな初対面みたいな人とお花見しても楽しくなんかないのにね〜
だから一応声をかけたんだけど来る?
来ないよね?」

傲慢な聞き方に腹立たしさを超え、呆れた私は

「お花見ですか…」

「そうお花見。来る?
来ないよね?
別に気なんか使わなくても大丈夫よ」

「…行ってみようかなぁ…」

「え?」聞き返す美紀に私は

「行きます。
ちょうどお花見をしたかったし」

「気を使ってるんじゃないの?
ホントに大丈夫よ」

「いいえ、気なんか使ってないですよ。
この前も楽しかったし、また4人で話したいなぁと思ってたんですよ。
だから楽しみです。
誘ってくれてありがとうございます」

美紀は予想外の回答を受けたようで戸惑いながら

「まぁ…後藤さんがいいって言うならいいんだけど…
じゃ、また集合時間とかは電話するわね。
でも嫌になったら遠慮なく言ってね〜
じゃあ〜!」

私の返事を聞く事なく、言いたい事を言い尽くした美紀は勝手に電話を切ってしまった。


「ふぅ…」何だかどっと疲れた気がした。

何気なく時計を見ると3:05だった。

「まずい!遅刻だわぁ!」

私は慌てて戸締りをして家を飛び出した。

小走りで待ち合わせ場所に向かいながらメールした。

"ごめんなさい。ちょっと遅れそうです"

するとすぐに返事が来た

"大丈夫!
待ってるから急がなくていいですよ。
気をつけて下さいね"

待ち合わせ場所は家から歩いて15分程の所にあるコンビニだった。

幹線道路から一本入ったこの店は人に見られたくない待ち合わせには最適だった。家から近過ぎず、客も多過ぎず、かと言って少な過ぎず、ちょうどいい。


小走りで息を切らせながらコンビニに着くと見覚えのある白のマークXを駐車場で見つけた。

携帯を触っている運転席を見て、確認し、私は助手席側に回って、車内を覗き込むように屈んでサイドウィンドウをノックした。

ドアロックが解除される音を聞いて私は助手席に滑り込んだ。

「ごめんなさい。遅刻しちゃいました」

まだ息が荒い私が言うと運転席の高杉は

「ううん、こっちもさっき着いたとこだし、遅刻って言っても15分ですよ。
レディを待つにはちょうどいい時間でした」

高杉はいつものようにキザな言葉を並べ、駐車場から車を出した。

高杉は私をちらっと見て

「いつもはウォーキングや喫茶店の格好ばかりだからそういう格好を見ると新鮮ですね。
僕はそう言う服装が似合う人が好きなんですよ〜

そう言う服装の方が亜沙美さんは似合いますね。
見違えて惚れ直しましたよ」

「大袈裟ね〜!そりゃ、私もいつもジャージやデニムじゃないですよ」

ウォーキング中に高杉が清楚な感じの女性が好きだと言ってたのを思い出して、それをイメージして私は今日の服装を決めた。

「でも忙しそうですね?大丈夫?」

「あぁ…ごめんね。
出がけに岡部さんから電話があって」

「岡部から?」

「美紀さんの方。火曜のお花見の話。
私が行くって言ったら驚いてたわ」

「岡部も言ってたよ、旦那の方ね。どうして後藤さんを誘うんだ?って」

「取り敢えず、行く事にしました。
晴れるといいですね」

「そうですね。
でも予報は晴れだから大丈夫ですよ。
後は散らない事を願うだけ〜」


時計はもう3:20になろうとしてた。
それを見た私は焦りながら

「大変!間に合うかしら?」

「ギリギリになるかも知れないけど大丈夫ですよ。
この時間ならそう混んでないだろうし」

「そう。良かったぁ」


その後も他愛のない会話していると3:45前にキャナルシティに到着した。

入場を済ませ、映画館に入ると平日のためか5割程の埋まりだった。

真ん中あたりの特等席を確保し、私はふと…

『映画デートなんて何年ぶりだろうなぁ〜』

そんなことを思っていると映画予告が始まった。


主婦亜沙美の生活 2nd seasonの最初へ 主婦亜沙美の生活 2nd season 8 主婦亜沙美の生活 2nd season 10 主婦亜沙美の生活 2nd seasonの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前