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ゆえとナオさんpart5
【同性愛♀ 官能小説】

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怖い人?-1

いつもの土手上をナイトランです。
「すっかり遅くなっちゃいましたね」
「暗いから足元に気をつけないと。
ほらっ!カエルっ!蹴っちゃうよ!大きいよっ!」
「ギャア!」
ナオさんは目が良いです。

ナオさんが急に脚を止めます。
ナオさんから緊張の匂いがします。
「何ですか?怖い人ですか?」
美さきちゃんと二人で、ナオさんの後ろに隠れます。

ナオさんのお尻越しに、人が立っているシルエットが見えます。
「女の…子?…」
暗がりに小さい女の子が立っています。
「一人で危ないなぁ」
「本当にヒトかしら?」
「ほ、一目で見破るか」
「美さき、落ち着いて。
ヤバくなったらリビングへジャンプしていいからね」
「あい…ナオねえいるから大丈夫だ…」
「女の子じゃないんですか?」
「何か違うみたいね。油断ならないわ」
ナオさんは目を細めます。
手には、すでに釘ナイフがあります。
「棒手裏剣を遣うか。自信が有りそうだな」
「それ程でも無いわ」
「くふふ。綺麗な顔をして、怖いな」

「戻るよ。
この先どんなトラップが有るか、知れたもんじゃない」
後ろに下がります。
ナオさんは、女の子から目を離しません。

「美さき、リビングにジャンプよ」
「あい…」
「あの子ついてきませんよ?」
「怪しいわ。
どんなトレーサーがくっ付いて来るか、分かったもんじゃない」

私たちは、しゅーっと消えます。
美さきちゃんのテレポート能力です。

「ほっ?消えた?
これでは子グモも付けられないな。
やりおる」

三人でお風呂に入ります。
ナオさんは、美さきちゃんをワシワシと洗います。
「さっきの女の子は何者だったんですか?」
「あれはヒトと動物のキメラかモザイクね」
「きめら?…」
「本当は二つの個体になるはずの胚がくっ付いて、
両方の遺伝情報を持ったまま成長した生物よ。
体の一部に変異があるならモザイク。
ヒトでもごく稀におきるのよ。
兄弟のキメラ、姉妹のキメラ、兄妹のキメラ。
あれはヒトの女の子にしか見えなかったね」

「どうしてナオさんは分かったんですか?暗いのに」
「ヒトの子どもはあんな風に立たないもの。
とても体重が軽いか、とてつもなく力が強いか、ね。
昆虫…。
例えば蜘蛛の様な生物とのキメラだったら、
人間なんてやられちゃう」
「何であんな所に居たんですかねぇ?」
「エサが通るのを待っていたんじゃない?」
「ひいいっ!」
「犬みたいに鼻が良いと撒くのに厄介だったから、
美さきのテレポート能力に感謝ね」
「にゃは…ほめられちった…」
「ヒトと動物では染色体の数からして違うけれど、
使われている基幹システムは同じだから、
部分的に混じっちゃってもおかしく無いわねぇ」
「また現れたら、怖いですねぇ」
「ひと気の無い所、暗い道は避けて大通りを歩くこと。
特に美さきは小さいから、
遊びに出るときは、なるべくジャムを連れて行くこと。
ジャムは頭がいいから、警報になるわ」
「あい…ムシペールするだ…」
「案外いいかもね」


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