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主婦亜沙美の生活 2nd season
【熟女/人妻 官能小説】

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プロローグ-4

トイレから出ると偶然ちょうど男性トイレから出た良樹と目が合い、声を掛けてきた。

「今日はすみませんね。うちの奴、あんなだから強引で」

「いえいえ、なかなかお会いする機会も少ないのでちょうどよかったです」

社交辞令を言うと急に黙り込んでしまった良樹は押し殺すように口にした。

「うちの奴、高杉さんと浮気してるんです…」

突然の告白に何も言えない私に良樹は続けた

「私の前だっていうのにあんなにいちゃいちゃして…」

「そんな浮気だなんて、何か証拠でもあるんですか?あんまり奥様を疑っちゃだめですよ」

当り障りのないように穏やかに言うと、良樹は突然大きな声で「証拠はありますよ、最初は隠れてこそこそしてたのに今では私の前でも堂々と…」

驚く私に良樹はバツが悪そうに「あぁ…すみません。後藤さんに当ってしまって。申し訳ないです」

「…いえいえ、ショックですよね…何て言えばいいのか…」ホテルの廊下の脇にあるベンチに座っていると

「すみません…気を使わせちゃって…」

「いえいえ…」

「でも後藤さんって優しいですね」

「いえいえ…」

・・・・・・・
・・・・・・・

気まずく、逃げるに逃げれない雰囲気の中、心の中で『助けて〜!!』と叫んでいると突然良樹は予想外の行動をとった。

私の顔の真正面に顔を向け、きょとんとしている私の両肩を軽く持ち、私の唇に唇を重ねた。

「え?…」戸惑う私に、唇を放した良樹は

「あぁ…すみません…オレ何してるんだろう…とんでもない事しちゃって…本当にごめんなさい」

今にも泣きだしそうに謝罪する良樹に

「…まぁ、ショックなことがあったから混乱してるんですよね?それにお酒も入ってるし。
私はもう忘れました。気にしてないので岡部さんも忘れて下さい」

「すみません…」

「そろそろ戻らないと。それこそ私たちが疑われちゃいますしね」

「すみません…、後藤さんは先に戻って下さい。私は一本吸ってから戻ります」

たばこの箱を見せながら言う良樹に、私はかすかに煙草の匂いを感じ、嫌悪しながら

「じゃ、あんまり落ち込まないで下さいね」言いながら席に戻った。


戻るといつの間にか美紀は高杉の隣に座っていていちゃついていた。

『まったく…周りの気も知らないで…』

「おかえり〜」高杉が声を掛けながら、美紀とは反対のスツールを軽くたたきながら隣に座るよう催促する。

無視をするようにコートとバッグを取り、帰り支度をしながら「私そろそろ、帰らないと。福岡だし」

そんな私に高杉がウイスキーを飲みながら「送ってくよ」

「いえいえ。結構ですよ。それに運転しちゃだめですよ。後はゆっくりと楽しんでて下さいね」棘を込めて言うと

美紀が「え〜、まだいいじゃん〜!」と絡んできた。

かわしながら、奢ってくれた高杉に「ご馳走様でした」お辞儀をして

「じゃ、お先に」逃げるように私は出ようとすると

「お疲れ!亜沙美ちゃん。後でメールするね。返信してね〜」と高杉が手を振っていた。

「はい、は〜い」適当に手を振り返しながら、足早に小倉駅に私は向かった。

何とか快速に乗ることができ、時計を見るともう8時前だった。

空いてる席に座って窓の向こうを見ながら「あ〜ぁ…疲れた…」思わず、声が漏れた。

不意にバッグが振動し、見るとiPhoneに見知らぬアドレスからのメールが着信した。

”今日は素敵な時間をありがとう。
あなたとの出逢いは神様が与えてくれた私の最後の奇跡だ。
あなたとの出逢いが奇跡なら再会は私の努力で勝ち取ろう。
強引でもいい欲しいと思うものは欲しいと言わないと伝わらない。
この気持ち、今はあなたに伝わらなくてもいつかあなたに届きますように。

でも一つだけ覚えておいて下さい。あなたは今晩私から大事なものを奪いました。
あなたは気付いていないかも知れないけれど。

それは私のハートです。

亜沙美ちゃんファンクラブ会員番号1番 亮より”

「うげっ…キモ…最悪…」苦笑いを通り越し、ドン引きしながらすぐにメールを削除した。

時間を持て余すように市村に今日の出来事を報告するとすぐにメールが返ってきた

”やっぱり虫が寄ってきましたか…。
アバンチュールを楽しんだんですね?
私的には、羨ましい、妬ましい出来事ですね。何の関係もありませんが…(泣)。
ただ、余計なことを申して恐縮ですが、貴女的には、ルビコンの河を渡ってしまいましたね。
お友達の旦那さん、というのは、少しリスクが高いのでは?

倫理的なことを言っているのではなく、一般的に、男女間で、刺激的なことがあれば、より刺激を求めます。
最終までいきつかないと、この気持ちは消えません。あくまでも、一般論ですが…。
だから、いつの日にかはそうなる、だろう、と。

私は不良ですから、そんなこといくらでも有り、と思っています。

問題は、その先です。貴女は離婚を考えてますよね?
自分の旦那さんに弱みを見せまい、としてますよね?
この点において、リスクが高いのでは?と思うのです。

繰り返し申し上げますが、余計なことで、私が申し上げることではありませんが…”


『ルビコンって何だろう…
その先って…
そんなものなのかなぁ…
市村さんって不良なんだぁ…』

そんなことを考えながら停車駅までの1時間ちょっと、私いつの間にか眠りについた。


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