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衛星和誌 −Qカップ姉妹−
【SF 官能小説】

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調教士として(12)-1

 ――あなたは、行き詰まっていた。
 あれから二段縛りも試みてみたが、リリア・ザ・パーフェクトは、たしかに体を攻められれば嬌声とともに大きく悶えるのだが、それでいて隙がないのだ。これでは、あなたではなく、彼女のほうに得点が行くだろう‥‥。事実、ホログラムでの投票傾向は、そうなっていた。各地の数値までは操作が必要なので細かく見なかったが、さっき見たときには、どこも大体そう出ていた。
 ルリアたちは健闘しているようだが、やはり劣勢に変わりはない。あなたはその彼女たちの足をさらに引っぱっていた。
(ごめんよ、ルリア――。ミドリ‥‥。ジャニスさん‥‥!)
 追い込まれたあなたは、物は試しで、部屋を調節し、標準重力にしていた。具体的に何か思い描けたわけではなく、そうすることで何か活路が見つかるかもしれない‥‥という当てずっぽうの戦術であった。もちろん、そんな方法で状況は好転しない。
(そりゃ、そうだよな‥‥)
 あなたは落ち込み、そしてさらに拍車がかかっていった。しまいには、あなたは数値を見るのがいやになって、オーガンカードで操作して数値の表示を消し、映像だけ見ていた。しかし、もちろん、そんな逃避の行為で、情況が好転するわけもない。
(世の中、そんなに甘くないよな‥‥)
 あなたが元いた世界と同様、この木星圏でも、そのことに変わりはないのだ。あなたはその事実を、悟らされようとしていた。オイオで味わった自信喪失感が、ぶり返してきていた。それは増幅し、やがて倍になった。
(俺なんか、だめだ‥‥)
 自信喪失感は倍を越え、どんどん増幅してゆく。その勢いに歯止めはかからなそうであった。あなたは、打ち負かされそうになり、ついには映像を観ることすら嫌になり、目を伏せていた。
 そのときだった。
「まあ‥‥」
 ベッドの縁に腰かけたあなたの膝の上のリリアが、絶句した。あなたに背後からおっぱいを鷲づかみにされたままで。彼女の、手に余る――余り過ぎるほどたっぷりした乳肉の内奥に、あなたは異変を感じた。それは“ザ・パーフェクト”と呼ばれる彼女の、動揺を示していた。
 ホログラムでは、ミドリの指が、ルリアの乳房に食い込み、大きくたわんでいるのが、大写しになっていた。食い込む、という表現は大仰ではない。細い指々が、ふくらみきったPカップの乳肉に、数本の筋のようにはまり込んでいる。
 だが、リリア・ザ・パーフェクトに動揺を与えたのは、その単なる乳責めではなかったようだ。もうひとつ、人影があった。ジャニスさんだった。ふたりとも後ろ手に拘束されているようだったが、ミドリは、自らもそのNカップをルリアの背にぎゅっとおしつけ歪ませつつ、ルリアの爆乳ボディを引き起こすようにして、ジャニスさんと胸合わせをさせていたのだ。四コのおっぱいが妖しい輝きを放ちながら、互いを求め合うかのように合わさり、複雑な曲線を変化させながら、むにゅむにゅと――いや、ぐちょぐちょと絡みあっていた。
「調教士さま――表示を出して、よろしいでしょうか?」
 リリア・ザ・パーフェクトが、あなたは初めて聞く、震え声で言った。
「あ、ああ‥‥」
 あなたはオーガンカードを彼女に渡した。あなたも動揺していたが、リリア・ミアヘレナはそれ以上にショックを受けているようだった。
 彼女のカードの操作によってぱっと映し出されたホログラムには、木星圏各地で、投票傾向が逆転し始めている数値が、次々と映し出されていた。


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