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私と俺の被加虐的スイッチ
【SM 官能小説】

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私と俺の被加虐的スイッチ-9

 ガンガンと腰を叩き付けながら、それでも飽き足りずに尻肉を掴む。力を込めて、弾力のある尻を痛いくらいに揉む。時折、叩きながら揉んでやると歓喜の声が大きくなった。
「ほら、どうなんだよ?ん?」
 乳首に歯をたてながら聞く。紅いグミの実の様な乳首。乳房には俺の歯形があちこちに付いている。答えなんて返せる余裕は無さそうだ。精神はすでに、痛みと快楽の連鎖に堕ちている。
「んぅ、も…耐えらん、な…イッ!はううっ!!」
 俺も限界が高波の様に押し寄せている。小さな波は何度も乗り切ったが、股間の付根から沸き上がる射精感は、もう止められそうにない。
「…いくのか」
 由依子の耳朶に唇を寄せて、息も切れ切れの声で囁く。肘を床に突けて上半身を密着させる。いつの間にか汗で身体が湿っていた。
「…うん、い…いきます…んぁ、いっても、いいです…か?」
「あぁ。いけよ。…俺もすぐに…」
 言い終わらないうちに由依子が甲高い声をあげた。俺の腰に巻き付けていた両足に、力が入ったのが分かった。喉をのけ反らせ…いや、全身をのけ反らせて、小さな痙攣を波が打ち寄せる様に繰り返す。
 そして俺も。…その波に流される様に…達っすべき場所に、精を吐き出した…


………………
「帰って。」
 朝、目が覚めた時にはスイッチが戻っていた。冷静になった私は、恥ずかしさと情けなさで…こう言ってしまったのだ。
「聞こえないの?帰って」
 私より早く目覚めたカナエは、リビングの床で猫とじゃれ合っていた。
 窓の外は今日も雨模様。紫陽花が雨粒に打たれている。ただ今am 10:00。会社には休みの届も出して無い。つまり無断欠勤。…クビになるかもしれない。けど怖じる気は無い。どうにでもなれ、そう思う。
 カナエはすでに着替えていた。赤い長袖Tシャツに、くすんだ色で繊維がむき出しのジーパン。裸のカナエは自分より年上に見えたのに、服を着込んだカナエはやっぱり年相応に見える。
「……」
 無言でカナエがこっちを見てる。目を合わせるのも恥ずかしくてシーツをじっと見る。シーツがやけに白く見える。
 少しの沈黙の後、カナエは黙って立ち上がり、ドアの方に向かって行った。片手に子猫を抱いて。ドアに手を掛け、私に背を向けながら…
「メシ、ありがと」
 そう言ってドアを開けて出ていった。程無くして、玄関のドアが重たい音を立てながら閉まっていった。

 一人きりの部屋。静まり返った部屋。何の物音さえしない。
 …これで良かったんだ。これが普通。昨夜の私が変だっただけ…
 …だけど…
 身体についた痕がジリジリ痛い。また、スイッチが入ろうとしている。イヤラシイ私が、カナエを追いかけ様と暴れだす。
 …ダメ、こんなの認めないんだからッ…
 がばっと布団をかぶり強制的にスイッチの切替えを拒絶する。
 しかし…涙は制御出来無かった。いつもの私は全然理解が出来ない。何故、悲しいのか。何故、布団に染みを作る程泣いているのか。分からない…けど、思うのは一つ。

「カナエがいなくて淋しい」って

 私は何年かぶりに嗚咽を漏らしながら泣いてしまった。


 そよそよと流れる風が気持ちいい。紫陽花はもう花を落としてしまった。青々とした葉っぱには梅雨の名残の雨粒が、太陽の光を反射してキラキラと輝いている。久しぶりに現れた太陽。スッキリと晴れ渡る青空。


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