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忘れ得ぬ夢〜浅葱色の恋物語〜
【女性向け 官能小説】

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老夫婦-1

1.老夫婦

 そのすらりとした裸の男性は、ベッドで仰向けに横たわった私に覆い被さり、哀しげな、しかしひどく優しい瞳で私の目を熱く見つめていた。

「神村さん……」

 私が小さくつぶやくと、その人は唇にそっと自分のそれを押し当ててきた。柔らかく、温かで、私の身体中の力が抜けていくようだった。
 彼の舌が私の唇を割って侵入して来ると、香ばしく芳醇な香りが口の中から全身に広がっていった。
 口を離して微笑む彼の目を見つめ返しながら私は言った。
「ウィスキーの香り……」

 彼は言った。ずっと瞳に憂いをたたえたまま……。「君が好きだ。もう……離したくない」

 私の両脚が彼の手によってゆっくりと開かれ、逞しいその身体が割って位置した。
「いい?」
 私は目に涙を滲ませ、小さく頷いた。
 硬く熱い彼のものが、私の身体の最も敏感で大切な部分に押し当てられ、それはゆっくりとその潤った谷間を押し開きながら中に沈み込んでいった。
 ああ、と思わず呻き声を上げ、私は顎を上げ、ぎゅっと目を閉じた。
「好きだ、シヅ子ちゃん、君が好きだ」
「神村さん、照彦……さん」

 私の身体の中で熱い風が吹き荒れ始めた。
 彼の身体が激しく上下する。その度に私の身体の奥にある禁断のスイッチが押され、魔法にかかったようにますます身体中が熱くなっていく。
「来て! 神村さん、わたしの中に!」

 全身の肌が嵐になぶられる木の葉のようにざわつき、荒い呼吸が止まった瞬間、目の前が真っ白になり、胸の奥で熱い爆発が何度も起きた。
 ぐううっ、と大きく呻き声を上げたその人は、私をきつく抱きしめたまま、身体を何度も大きく脈動させた。そして私の中心に向かって、激しく何度も何度もその熱い想いを放ち続けた。


 息を落ち着けながら、私はその人の胸に顔を埋めていた。その大きな手が私の髪を撫で始め、私はゆっくりと顔を上げた。

「気持ち良かったデスカ?」

「えっ?!」私は小さく叫んだ。
「ボクもとっても感じてマシタ。シヅ子、ありがとう」
「ア、アルバート?」
 その青い目の男性は、穏やかに微笑みながら私の目を見つめ、また優しく髪を撫で、それから優しくふわりと身体を抱いた。



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