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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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勇気と劣等感-9

「まぁ、それは当然ちゃ当然だね。」
「ちょ!何言ってんのよ。」

いつもの喫茶店、もはや私達のアジト見たいになっている。応援してくれる筈の一条君の
以外な返答。

「彼は本当に気まぐれだからねぇー。」
「でもっ!勉強を教えたり、コートを貸してくれたり。」
「それも彼からしたら本当に単なるちょっとした親切心。」
「……。」
「…厳しい事を言うけど柊さんも巴も舞い上がり過ぎだよ、そりゃー彼と距離を縮めたい
友人を応援したい二人からしたらそう思いたくなるのも判るけど、だからと言って都合の悪い現実を無視し、良い現実を大袈裟に広げ過ぎたら駄目だよ。」
「それは…。」
「体育館であたるにそう言われいや聞いてしまったようだけど、僕だって勿論君たちだってあの状況じゃー同じ事を言う筈だよ?酷いとか裏切られたとかじゃなくて。」
「……。」

一条君に言われ少々落ち込むけどハッキリと事実を教えてくれて助かる。

そうか、私はまだまだ何だ、ホントただちょっとそこらへんの知人に親切にしただけ、彼からしたら。

私はまだあの輪にすら入れてないんだ、嫉妬以外に感じた物、それは劣等感だったんだ。

もはや私も巴ちゃんも返す言葉すら見つからない。

「とは言えそれで振出に戻ったとか失敗したとかじゃないよ。柊さんが勇気を振り絞って
一歩あたるに近づけたのは紛れもない事実、巴曰くそこからまた攻め続ければいいさ。」
「一条…君。そうだね、私頑張るありがとう。」

そうだ、彼へのアタックはここからだ…。

第5話へ続く。


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