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飛べない鳥の飛ばし方
【ファンタジー 官能小説】

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植物園にて-1


 ひと晩ぐっすり眠ったリョウツゥは、朝日と共に目を覚ました。
 ピンク色のカーテンを開け、外を見ると街はまだひっそりとしている。
 白いチェストの上にはバインの荷物とリョウツゥの服が綺麗に畳んで置いてあり、置き手紙があった。

ーー隣に風呂がある。自由に使って良い。使い方が分からないようなら言え。ーー

 素っ気ない文面からヴェルメが書いたのだろうと思ったが、なんだか可愛らしい丸い文字なので違和感満載だ。
 しかも置き手紙に使われている便箋は、押し花が透かし入れられたファンシーなもの。
 見た目はぶっきらぼうで怖いが、中身は乙女な女性なのかもしれない。
 ピンク1色のこの部屋も、実はヴェルメの部屋なのだろう。
 可愛らしいチェストの、いかつい中身もそれならば納得できる。
 リョウツゥはちょこちょこ歩いて隣の部屋を覗いた。
 湯沸かし器は一般的なものだったので使い方は分かる。
 スイッチを押して蛇口を捻ると湯気と共にお湯が出てきたので、温度を調整して湯船に入れる。
 溜まるまでの間、バインの荷物を開けて中身を確認してみたらちゃんと揃っていた。

(……良い人達……なのかな……?)

 いやいや、まだ油断できないよ……と、思いながらもお風呂には入りたいので上がってから考える事にしたリョウツゥだった。

 久しぶりのお風呂は最高だった。
 置いてあった香料を有り難く使わせてもらい、心身共にリラックスできた。
 脱衣場にはドライヤーもあって髪もふわふわだ。

 しっかり身支度したリョウツゥは、バインの荷物の中で特に大切なもの……2人でみつけた綺麗な石……をポケットに入れて部屋を出る。
 階段を降りて直ぐにリビングがあり、奥に台所があった。
 台所からは物音がするので既に誰かが働いているのだろう。

「ぁの……」

 そっと声をかけながら覗くと、そこに居たのはヴェルメだった。
 ビキニを着たヴェルメは、フリフリレースの白いエプロンを着けている。

(裸エプロン?!)

 正確には違うが、そう見える。
 お尻部分の蜥蜴尻尾が何だかいやらしい。

(やっぱりそういう場所?!そういう場所なの?!)

 カタカタと震えながら柱にしがみついていると、ヴェルメがリョウツゥの存在に気づいて振り向いた。



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