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弟の声〜vocalist〜
【姉弟相姦 官能小説】

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壁越しの感情-1

〜壁越しの感情〜2-1

「んーー…。」

シングルベットに2人では、寝返りをしようにもそんなスペースは無い。
背中に蓮が密着したまま、抱きかかえている。

(…何時?仕事行かなきゃ…)

社会人になり嫌でも、この時間には目が覚めてしまい、寝ぼけながらも目を開け時計を確認する。

(…ん?蓮の部屋?で寝たんだった…。)

おもむろに身体を回転させ向きを変えた。

(…どうしよう?)

ぐっすり眠っている蓮の顔を見るなり、後悔と反省の波が押し寄せるのである。

アルコールに罪を押しつけ、憶えていないと謝る方が良いのか…
蓮は目が覚めても憶えているのか…?
何も言わず普通に接していれば良いのか…

止めようと思えば、止めれたのかもしれない。快楽と優しさに甘え、流されてしまったのである。

いつも見慣れている寝顔が、別人かのように新鮮に映った。

(…蓮、マスクも着けずに寝ちゃったんだ。仕事行く支度しよう。)

考えても答えが出ぬまま、蓮を起こさぬよう部屋を出た。

支度を終え、いつもより少し早めに家を出て、カフェに寄ることにした椿。

温かいココアを一口飲み、昨夜の出来事とこれからを整理できずに、グルグルと頭を駆け巡らせ、ココアがなかなか減らないのである。

(…蓮てあんなエッチするんだ…。)

(…どんな顔をして家に帰れば良いのか…)

隆二から別れを切り出され、泣いていたはずが、傷心感もモヤモヤとしていた性欲も、スッキリしていることに気づく。

(…付き合う前、蓮は反対してたんだよね。最初は上手くいってたのに…とゆか、別れをメールで済まそうとするって、どーなの?やっぱり浮気されてたのかな…?もう考えなくてもいっか!)

男の下心を見抜けない自分に落胆する。蓮が正しかった。

携帯を取り出し
“わかった。今までありがとう。”
隆二のメールに返信をしたのだ。

(…写真もメールも消しちゃお…。)

冷めたココアを飲み終え、仕事へ向かった。

「おはようございます!」

「これから年末SALEの為、ディスプレイやカテゴリーの配置替え、値札の貼り替え、引続き新春SALEの作業が数日続きます!気合いを入れて頑張りましょう!」

「はい!」

「効率よく作業を行う為、各担当ごとにスタッフを分けます。ここに貼り出しているので、各自確認後、作業を始めて下さい。」

「これでミーティングを終わります。今日も1日よろしくお願いします。」

「はい!」

簡単なミーティングを終え、オープン準備に向けて、各担当ごとにスタッフが慌ただしく作業に取り掛かった。

仕事が始まってしまえば、プライベートなことを考える余裕など無い。


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