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そして純情姉弟の恋模様(クラス1-AC)
【学園物 官能小説】

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同級生の結婚-2

白石先生の注意事項が続く。

「い〜い、同級生や部活仲間の結婚式に出席する機会なんて、普通の高校生だったら絶対に無いんだから、純粋に祝って上げるのよ」

これは初めて白石先生から、この話を打ち明けられた時に聞かされていたことのお浚いだ。

だからと言って、今時の高校生が素直に応じるはずはない。初めは斜に構えたり、醒めていた者も多かった。しかし白石先生の熱心さと、イケてる部類の本多が中心になって尽力を尽くしたこともあり、また、本人にはそんな気はないのだが、存在するだけで威圧感のある赤木が後ろに控えて居ることもあって、何となくクラスが纏まっていった経緯があった。

「千尋ちゃん達が入って来る前に、照明が暗くなるから、その前に通り道から見てテーブルの影に隠れてよ。照明が消えてから動くと事故の素だから気を付けて」

「みんなわかった?全員が協力しないと台無しなんだから照れずにやろうね」

本多が補足した。

何だかやることが子供染みているが、滅多にできないことなので、改めて斜に構えず協力しようという気になった。

オレ達が白石先生の話を聞く間、新郎新婦を祝う人達が次々と会場に入り、オレ達の様子を興味深く、またにこやかに見守っていた。

時間になった。白石先生の合図で、オレ達はテーブルの影に隠れた。しばらくして会場の照明が消えて、新郎新婦入場の音楽が会場に響いた。

何て曲だっけ?今井美樹の優しい歌声と共に会場の中が「うわー」とざわついた。それでスポットライトに当たった新郎新婦が入場したことがテーブルの下でもわかった。

入場してきた新郎新婦は各テーブルを順番に廻り、手にしたトーチでテーブルの中央のロウソクに火を点していった。

式の進行などは高校生が知る知る由もないが、初めにキャンドルサービスをするのは、オレ達の参加をギリギリまで真下に隠す演出ということだ。

新郎新婦は各テーブルで励まされたり、からかわれたりしながら、ホテルの人の先導でオレ達のテーブルが並ぶところに差し掛かった。

「千尋、おめでとう!」

当初から式に参加することが決まっていた、本多を含む真下の中学時代からの同級生3人が、揃って祝いの声を掛けた。

それを合図にオレ達は一斉に飛び出し、銘々が「千尋、綺麗」「真下、頑張れ」「皆で応援してるぞ」などの祝いの言葉を投げ掛けた。

初めは何が起こったのか理解できなかった真下だったが、クラスメートと部活仲間が次々に投げ掛ける祝いの声を聞いて、何が起こったか理解して感極まって泣き崩れた。

当初、学校から結婚するなら退学しろと迫られ、一転して認められた後も、中学時代からの3人の友人以外には結婚の事実を隠すように求められていた。

それを聞いたオレ達の反発心が、クラスを纏めることにも繋がっていたと思う。

真下も公表できないのは仕方がないと、無理やり自分自身を納得させていたのだろう。それが一転、思いもよらなかった仲間達の祝福を受けて、驚きと喜びで感無量になったのだろう。

「真下、おめでとう」

オレも真下に声を掛けた後、この愛すべき可愛い真下を妻にした幸せ者に向かって、親しみを込めて祝いの言葉を投げ掛けた。

「おっさん!オレ達の真下を泣かすんじゃねーぞ!」

もちろん、それを許す度量を持っていることを十分認識してるし、また、この気さくな男なら、親しげにこう言った方が喜ぶと確信していたからだ。言うならば昨日教えてくれたことへの感謝の意味を込めてだった。

それを皮切りに「真下、このおっさんが嫌になったらオレのところに来いよ」「そうだそうだ、おっさん、真下を泣かしたら赦さねーぞ」「おっさんが泣いてんじゃねーの」と次々と祝いの言葉が続いた。

一瞬、この時のために奮闘した本多に怒られるかなと思ってチラリと見たが、本多は目に涙を浮かべながら、本当に楽しそうに笑っていた。

ついでに言うと『オレのところに来いよ』って言ったヤツは本心を言っていたはずだ。真下に片思いしていたヤツだからな。



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