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衛星和誌 −Qカップ姉妹−
【SF 官能小説】

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ジェニファー語り(11)-1

「勝ち‥‥方‥‥?」
「そう。無記名の投票というシステムに乗る以上、どうしても不確かさは免れえません‥‥。木星圏の全市民が視聴者――有権者となるのです。彼らの心理というものは、侮れません」
「心理‥‥ですか」
「そう、彼らの心を巧みにくすぐらねば‥‥リリィのおっぱいにするようにね」
 そこで姫は、調教の模様を思い出したのか、またお美しい顔に悪戯な笑みを浮かべたのだった。
「――今回のコンジャンクション、実際はどうあれ、市民かれらの多くにはこう映っているでしょう。強国スガーニーが、いまや孤立無援のオイオに圧力を加え、『呼びつけて、勝負を強要した』と‥‥いえ(――「そんなことはありません」と反駁しようとしたわたしを、姫は手で制した)情報省からも、そのような報告が寄せられているのです。各地で、そういう声が上がってきていると‥‥。人、とは、そういうもの。‥‥――どうなります?」
「‥‥――各地の反対派、分離一派セパレーショニスツ・グループ、扇動者どもを、勢いづかせることでしょう‥‥。――まったく、わが国による恩恵を省みず、勝手なことを‥‥」
「――そのために、少しでもわがほうの高圧的・強権的イメージを、やわらげる必要があるのです。現在のところは、調教士も事実上のプレーヤーですから、オイオの四名対わがほうの二名、となっています。これを、わがほうの調教士が不参加とすると――」
 姫の意味ありげな笑顔に、わたしも頷いた。
「オイオ四人に対し、スガーニーは一人‥‥。四対一‥‥。多勢に無勢、となります」
「その通りです。調教士や歴戦の軍人まで動員してくるオイオに対し、スガーニーはか弱きメイドがたった一人で挑む‥‥。どちらが譲っているのか‥‥。図としては悪くないでしょう?」
「‥‥なるほど。よくお考えです」
 わたしは感心して頷いた。ナディーカさまは続けた。
「これが第二です。第三は、勝負の後、勝った後のこと‥‥。――今回のコンジャンクションに勝利すれば、あの男が増長しだすのは、目に見えているでしょう?」
「確かに‥‥」
 わたしは唸った。ナディーカさまの話には説得力があった。しかしそれでも、コンジャンクションにあの男なしで挑むのは、勝利の確率を減らす行為に思えた。だから言った。
「勝敗の決した後に、帰還させればよいのでは‥‥」
 するとナディーカさまは、長い睫毛の目を伏せた。
「わたしのわがままもあります。ジェニーや、ナディーカはね‥‥もう少しペットが欲しいのですよ」
「は‥‥」
「あの三人‥‥ルリアは想像以上のカラダのようです。そして、おまけのふたりもなかなかの上物‥‥。あのオイオの調教士によるこれまでの分は致し方ありませんが、これ以上はできるだけ汚れさせないまま、手に入れたいのですよ。こういう気持ちが解って?」
「それは――‥‥お好きなようになされば‥‥と思います。なるほど、その点は了解しました」
 わたしが言うと、ナディーカさまは小首を傾げながら少し横を向かれ、ふうと小さくため息をついた。そして、告白なされた。
「本当はね、リリィも、調教士あの男などにやらせたくはなかった‥‥」
「‥‥‥‥」
 黙ってはいたが、自分の内で何かが動くのを、わたしは感じていた。
わたしのリリィですもの。これまで可愛がってきたやり方であの娘を充分にみだらに開花させられるなら、誰があんな男の手に渡すものですか‥‥! でも、コンジャンクションという大勝負に出させるには、ナディーカの通常の愛で方では足りないと、わたしもわかったのです。だから、召還させたのですよ」
「なるほど‥‥。姫さまがそこまでお思いでしたら――ナディーカさま在ってのスガーニー。それは、わかりました。が、しかし――」
 明後日、オイオの三人に対する肉体責めを、いったい誰がするのか‥‥。なおも疑問を口にするわたしに、姫はこう言ってきた。
「それにジェニー、これは、あなたのためでもあるのですよ」
「わたしの?」
 思わず、聞き返していた。
「そう‥‥。あなたはわたし以上に、あの調教士おとこを好いていないのでしょう?」
 ナディーカさまの単刀直入の物言いに、わたしはしどろもどろになった。
「それは――いえ‥‥。しかし、そのような個人的感情を公務に持ち込みは――‥‥わたしは‥‥」
 姫の動かない涼しい目が、こちらの心の奥をじっと見透かしているように見えた。わたしの、どこまでを見透かされているのだろうか‥‥。
「あの男がこれまで以上に増長するのを、あなたは我慢できて?」
 それを聞いて、また、あの胸をまさぐられたときの不快感が戻ってきた。ふたたび悪寒とともに。
「それは‥‥。いえ‥‥ご配慮、恐れ入ります」
 わたしはむかつく胸を押さえ、ナディーカさまの前に跪いのだった。
 そんなわたしに、姫は、計画の手順を説明した。
 すでにあの調教士へは、食事への混入という形で、軽めの薬の投与が行なわれてきたこと(――あいつの体調不良はそのためだった)。そして、今夕のディナーの料理には、すでに一部に強力な眠り薬が混入されていること。
(ぬかりのないお方だ。さすが‥‥)
 わたしは素直に、頼もしく思った。それは、リリアが普通に配膳すればあの調教士のところだけに行くようになっているが、念のためその料理の見分け方。万一間違った場合の、不審に思われないように調教士の前に持っていく話術、等々々々‥‥。
 すでに、手はずは整えられているようだった。あの不快な黒調教士おとこは、あと数時間で意識を失い、手早く運ばれ、転送装置でこの世界から消えるのだった。気がつけば元の世界のベッドにいて、こちらで過ごした記憶の多くは失われ、かろうじて思い出せるいくつかも「夢」としてしか認識できないようになる‥‥。それはうまい具合に運ぶように思えた。わたしは、気持ちがせいせいするのを感じていた。そして姫は、わたしの残る疑問に答えたのだった。


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