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「すき?」
【学園物 官能小説】

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「すき?」〜BEAUTIFUL HOLIDAY〜-1

夜中に肌寒さで目が覚めた。
半覚醒の意識を奮い起こし、ぼんやり目を開け上身を起こした。
視界に入ってきたのは、見慣れた自分の部屋と、ベットの上にいるのに毛布も掛けずにいる裸体の自分。
あ、そうか。
昨日亜由がうちに泊まったんだっけ。
そういえば、と、俺は昨晩の眠る前の記憶を思いだし始めた。
寝る前に激しい交わりをして、お互い服を着るのも気だるく、そのまま寝てしまったんだっけ。
「えっぐしゅっ!」
ボーッとしながら回想していると、不意にくしゃみが出てきた。
いくら春だからといっても、裸で寝るにはまだ寒いよな・・・と思いながら、隣に眠る亜由を見た。亜由は寒くないだろうか?と案じながら。
・・・。
大丈夫らしい。
なぜなら亜由は俺の分の毛布まで体に巻きつけ、胎児の様に体を丸めて寝ていた。俺が寒いのは、ただ単に裸で寝ていただけでなく、こいつに毛布を奪われたのだ。
クイッと、毛布を自分の方へ引っ張ってみた。だけど、毛布はがっちり亜由の体に巻きついていて、ビクともしない。・・・やれやれ。
そんな亜由は、無垢な顔をして気持ち良さそうに寝息を立てていた。そんな顔を見ると、寒さへの憤りもどこかへ吹っ飛んでしまう。俺は呆れ半分諦め半分、ため息をつくと、そっと亜由の頭を撫でた。すると、亜由の寝顔から笑顔がこぼれた。
「亜由、起きてるの?」
俺の投げた質問に、答は無かった。
そのかわり、
「・・・ジャムおじさん・・・ムニャムニャ・・・」
という寝言が返ってきた。
ぷっ
俺は思わず吹き出した
ジャムおじさんってアンパンマンの?!。
こいつ、この春から高3になるっていうのにどんな夢みてんだか!
俺は、ひとしきり笑うと、なんだか二度寝する気分に離れなかった。
とりあえず、シャワーで体を温めようか?うん、それがいい。
そう決意すると、俺はベットを抜けだしシャワーを浴びにいった。
シャワーで体を温めると、愛用のスウェットを身につけ、頭をタオルで拭きながら部屋へ戻った。
俺の家は、1Kなので、シャワールームを出るとすぐにリビング兼ベットルームの部屋になる。
俺は冷蔵庫を開け、ビールを1缶手に取り、タバコを取り出した。
一服しながら、ベットに横たわる亜由を見る。すると、先程と寝相は変わってなかった。ちゃんと俺のスペースを確保していてくれている。・・・毛布はくれる気配は無いけれど。
なーんかこいつ、ハムスターみたいだな。
亜由の姿を見て、また顔に笑みが込み上げてくる。
亜由は可愛い。俺の中で、とびっきりに。
顔立ちは、"とびきりの美少女"というわけではないが(言い切ったら本人に殴られそうだが・・・)、目は大きく、つぶらで、動きもチョコマカとしていて小動物っぽい感じが愛らしい。
亜由と付き合い始めて、はや一ヵ月半。
けして報われる事は無い想いだと思っていた。なぜなら、亜由は俺が担任をしていた

生徒だったから。正直、俺自身『ロリコン?!』と、悩んだ時期もある。
けれど、亜由は俺の思いを受け止めてくれた。亜由に告白をしたときを思い出すと、屁理屈をこねて口説くと言うより、説得と言ってもいいと思う。
手に入らない、と思っていた彼女が、今は俺の隣りで寝ている。
すごく幸せだと思う。しかし、その半面・・・不安だ。
亜由は俺と10歳も違う。
彼女はこれから色々な経験をして、色んな出会いをするだろう。


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