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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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ためらう理由-3

それからアイス店を後にし、私と伊吹さんはデパートへ足を運び、ファッションコーナーで私に合う服を次から次へと持っていく。

あれこれ私の体に服をあてブツブツ言う伊吹さん、そんな彼女を見つめ。


「いやー、結局何も買わなかったねぇー、ぼったくりだな私達。」
「……。」
「アイス、美味しかったっしょ?」
「うん。」

彼女と肩を並べ歩き、そして想いを口にする。

「伊吹さん。」
「んー?」
「今日は本当にありがとう。」
「へ?私何かしたっけ?」
「したよ!こんな、こんな友達も作れない引っ込み思案な私に声を掛けてくれて。」
「若葉…。」
「嬉しかった、あの日ドーナツ店で、見ず知らずの私に声を掛けてくれて。」
「……。」
「そりゃー伊吹さんからしたらあの時私を誘ったのは単なる気まぐれかも知れない…。でもっ!私は嬉しかった…天にでも昇るような想いで。」
「………。」
「それだけじゃない!あの後貴女は私の事何て忘れてると思ってた。だけどそうじゃなかった。あの後もこんな私に毎日挨拶してくれて、しまいには今日こうして私に友達を紹介してくれて…」

気が付けば足が止まり、待合所の椅子に座っていて。

「だから…、本当に有難う伊吹さん。」
「巴。」
「えっ?」
「巴で良いよ、若葉。」

優しい瞳で私を見つめる。

「伊吹、あ、いやっ。」
「そっかー、若葉…今までそんな事を想ってたんだ。」
「……。」
「ねぇ。」
「んー?」
「私は貴女のお友達…なのかな?」
「……何言ってんのさ!」
「えっ?」
「気が付かない?ずっと前からアンタの事を、若葉、って呼んでるの。」
「あ…。」
「それに私はアンタの友達何かじゃない。」
「!」
「親友だよっ!友達より深い…。」
「……。」

そういってニコッと笑う彼女。

「そーだ!ねぇケータイ…持ってる?番号とか交換しようや。」

お互いケータイを出し合い、交換をし。

「うしっ!これで何時でも連絡出来るね!」
「ありがとう……巴ちゃん。」


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