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飛べない鳥の飛ばし方
【ファンタジー 官能小説】

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翼をください-4


「でも……」

 私はどうせ飛べないし、バインさんだってもう飛べないでしょ?

 そう思ったリョウツゥだったが、さすがに言葉に出すのは躊躇われた。

「リョウツゥは飛べるよ」

 リョウツゥの言いたい事が分かっているバインは、彼女を抱きしめてそっと囁く。

「君は必ず飛べる」

 耳元で言い聞かすようにバインは続けた。

「飛んで……世界を見ておいで」

「世界……ですか?」

「そう。まずは王都クアトリア。とても綺麗な所だ」

「行った事あるんですか?」

「ああ。沢山の人々が集まっているんだ」

 緑の民や他の地域の民……見た事の無い食べ物や装飾品。

「一番驚くのは王様だ。どの地域にも属さず、全ての民の特徴を持っているんだ」

 獣の耳に翼に水陸両用の呼吸器官、そして赤の民の特徴も。

「凄い……です」

「世の中にはリョウツゥの知らない事が沢山ある。こんな暗い所に居てはいけない」

「でも……」

 私は貴方に恩返しがしたい。
 そう言おうとしたリョウツゥの口を、バインの唇が塞いだ。
 軽いキスをしたバインは少しだけ離れて優しく微笑む。

「俺はリョウツゥが元気に飛ぶ姿が見たい」

「バインさん」

「今、掟を破ったら本当に飛べなくなってしまう」

「……」

「リョウツゥ。俺だって我慢しているんだ。君も努力するべきだよ」

 バインはリョウツゥの手を取ると、自分の股間に導く。

「ぁ」

 ソコは既に立派に復活を遂げていた。

「なあ、リョウツゥ。君が飛べるようになったら結婚しよう?」

「……!」

「そして、2人で旅をして世界を見て回ろう。な?」

 バインの言葉にリョウツゥの顔がキラキラと輝いてゆく。

「はい……はい、バインさん」

「それまで、コレはお預けだ。良いな?」

 バインに抱きついたリョウツゥは、涙を流しながらコクコク頷いた。

 とりあえずお互いを慰め合った後、まったりしながらバインは沢山の事をリョウツゥに話して聞かせた。
 彼が訪れた事のある外の世界の話、リョウツゥの知らない空の話。
 憧れが募ったリョウツゥは、早く飛べるようになってバインと2人で旅する事を夢見るのだった。



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