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そして16年目の恋模様(クラス1-AB)
【女性向け 官能小説】

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友人の娘-2

時を同じくして、慎吾の母親も他界した。慎吾にとって身内は、知子とその子供だけとなった。

その2年後、司法書士の息子も無事に試験に合格した。その息子の起っての希望で、慎吾の名前を残した合同事務所として現在の形となった。

慎吾と知子の間に生まれた女の子は【千尋】と名付けられた。

千尋の成長を見守りながら、3人はとても幸せな時間を過ごした。オレも千尋の、知子の子供の成長を見守っていた。

ある日、その幸せな時間が突然止まってしまった。千尋が中学に入って半年後、知子は突然の事故で他界した。

「嘘だ…」

その前日にも訪問し、賑やかな夕食を囲んでいたので、突然のその訃報に呆然となった。

「こんなバカなことがあるかよっ!」

オレは何も言わない知子が横たわる病室で叫んだ。慎吾と千尋はただ号泣するばかりだった。

知子の両親とは、幾度か仲直りの機会を模索していたが、その両親は知子と会う機会を永遠に失ってしまった。



失意の中、慎吾と千尋の2人の生活が始まった。家庭的な知子から手解きを受けていた千尋が家事を受け持った。

落ち込む慎吾を励ますために、オレも行ける時には足を運んだ。独身の気軽さだった。

オレは大学卒業後、実家の不動産業を継ぐための武者修行として、信託銀行系の不動産会社に就職し、それを機に家を出た。

しかし、この会社を結構気に入ってるので、骨を埋めてもいいなと思い始めた。物事に囚われない父親は、オレの意思に任すつもりのようだ。

マンションのいい物件が有ったので、ローンを組んで購入し、5年が経っていた。いつでも嫁を迎える準備は整ったが、中々これと言った相手に恵まれなかった。

慎吾の頼みとは、千尋のことだった。入院中、16歳の女子高生の1人暮らしを心配するのは当たり前だ。赤ん坊の頃からオレになついていた千尋を、その間オレが預かることになった。

預かるまで何も思わなかったが、2人きりの部屋でホットパンツでウロウロされると、さすがに目のやり場に困ってしまった。

家事は交代ですることにしていた。千尋もクラブ活動をしていたし、入院中の慎吾のことも有ったので、少しでも負担を軽くしてやりたかった。

初日に注意したホットパンツ姿は、一向に改善される気配が無かったが、女の子が1人居るだけで生活は華やいだ。

誰かが家で待ってると思うと、それが友人の子供であれ、自然と夜の付き合いは遠退き、帰宅も早くなっていた。灯りの付いた自宅に帰るのは、思いの外心地よいものだ。

オレにとって、この間は彼女の居ない狭間期間だった。早く帰るので風俗も行って無かった。自ずとシモの処理は自分でしなければならない。しかし、千尋が同じ屋根の下に居ると思うと、気が引けてしまい、性欲処理の出来ないまま2週間がたった。

と言ってもオレも若い。その間我慢できずに2回ほど自分で抜いた。いや、3回か。

食事を採る時や、居間で寛いで居る時には、当然にして千尋と一緒に過ごした。目を反らすが、それでも千尋の太ももが目に入ってチカチカする。この日のオレは何だか無性にムラムラしていた。

何故ならば昨日の夢が、やたらとエロチックな内容だったからだ。テレビに目を向けながらも、頭の中は夢の中の相手を思い浮かべていた。気が付けば勃起していた。

さりげなく股間を隠し、妄想を振り払うように視線を窓の外に向けた。今朝から降り続いた雨が激しさを増していた。天気予報によれば発達した台風がそのまま直撃するそうだ。接近する台風の荒れ模様が、オレの心を不安定にした。

「直撃するみたいだな」

「怖いよう…。もし、停電になったら抱っこして守ってね」

昔から怖がりの千尋は、こんな時は知子に抱き付きながら寝ていたそうだ。知子が笑いながら言っていた。

「バカ、高校生になって何言ってやがる。1人で寝てろ」

抱っこ…。また昨日の夢が鮮明に蘇った。

ふふ、イカンイカン、このままでは千尋を襲ってしまいそうだ。

自分のその想像が、少し現実離れしていたので、心の中で苦笑いをした。しかし、その一方でそれが現実になったら思うと身震いした。

オレはムラムラを解消させるために、休日前にも拘わらず、早々に自分の部屋に閉じ籠った。

パソコンを立ち上げ、サイトに転がるエロ動画を検索した。情けないが仕方がない。早く新しい彼女を見つけなければと少し焦った。

千尋の部屋は、居間を挟んで反対側だったが、それでも注意するに越したことは無い。オレは千尋に聞かれないようにイヤホンを差し、音の漏れない動画を見ながらシコシコとやり始めた。

動画の中の女優が、美味しそうに男根を口に頬張っていた。オレは少し目を細めて、その女優の顔がハッキリと見えないようにした。代わりに夢の中に出てきた女の顔を想像し、この行為に没頭した。

もう直ぐフィニッシュ。昂りが頂点に達しようとした時に、一瞬、部屋の中の空気が動いた気がした。ハッとしたオレは、空気が動くその気配に後ろを振り向いた。

サ――

自分の血の気が一気に引いた音が聞こえた。目を見開いた千尋がそこに立っていたからだ。

「わっ、勝手に開けるな、早く締めろ」

千尋は驚いた表情のまま、きびすを返して部屋を飛び出した。

「最っ悪だ…」

なんて言い訳しようか…。明日からの千尋との関係性を考えると、絶頂間近だったはずのオレのモノは一気に萎んでしまった。

窓の外の雨が、更にオレに追い打ちを掛けるように激しさを増していた。


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