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止められない
【姉弟相姦 官能小説】

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止められない番外編〜由紀と鈴香〜-2

それはともかくーー
「由紀とは別にそんな関係じゃない。勝手に解釈しないでくれ」
気を取り直して鈴香は泉に反論する。まだ頬は赤かったが。
もちろんこの程度で泉は言葉を緩めない。
「もぉっ。素直にならなきゃダメだよ。鈴香は可愛いんだから、雰囲気を作って誘い込んだらすぐに由紀ちゃんから襲ってくれるよ〜」
(私の時がそうだったしね〜)
と、いうのは黙っておく。
鈴香が鬼の顔になるのは目に見えてるし、泉もまだ死にたくない。
「由紀はそんな男じゃない」
と、断言する鈴香。
そんな姿を実際に見ている泉としては、苦笑するしかない。
「ん〜…でも、いつまでもそんなままじゃ知らないよ?由紀ちゃんモテるし、最近もますますカッコ良くなってるから、誰かに取られちゃうよ?」
「…………」
その言葉に、鈴香の表情こそ変わらなかったが、体がピクッと動いたのを泉は見逃さなかった。
(…これくらいにしてあげようかな?)
そう思い、泉は話しを変える。
「そういえばさ、ここにはお父さんの伝言を伝えに来たんだよね?伝言ってなーにー?」
鈴香もこの時点でここに来た目的を思い出す。

「今度の日曜に由紀の誕生会を開くから、予定を空けておけってさ」
気を取り直して、真之助からの伝言を伝えた。
「そっかぁ♪由紀ちゃんいくつになるの?」
「17だよ。今高校2年だから」
ちなみに瀬里奈と由紀は2つ上の19才。泉は20才である。
「そっかぁ…それよりお父さんも相変わらず由紀ちゃんに甘々だねぇ♪」
「確かにね…」
泉の言葉に鈴香も同意をこめて苦笑する。
泉と鈴香の両親、真之助と明日香は実の子のように瀬里奈と由紀を可愛がった。
特に2人の両親が他界してから顕著になり、可能な限りの援助もしてあげた。
もっとも、そのほとんどの援助を2人に断られたが。
瀬里奈や由紀が来る度に、厳格な組長である真之助が別人のように豹変するのは、片山組の名物になっていた。
「で、姉さん。予定は空けれる?」
「うん、大丈夫だよ〜♪由紀ちゃんのためなら例え仕事があっても参加するよぉ」
それもどうかと思った鈴香だが、敢えて黙っていた。
それだけ泉にとっても由紀は大切な存在ということだろう。

そして日曜日。
『お誕生日…おめでとー!』
片山家にあるとてつもない広さの居間で、由紀の誕生会が開かれていた。
居間にいるのは片山真之助、明日香、泉、鈴香と進藤瀬里奈、由紀の六人だ。
「おめでとう由紀。ほら、誕生日プレゼント」
そう言って鈴香が差し出したのは画材のセットだった。
「うわっ…ありがとう鈴姉!これ高かったでしょ?」
「そういうのは気にするな。黙って頂いていればいい」
照れながら鈴香はそう言った。
「はいはーい!次は私ぃ!お誕生日おめでとう由紀ちゃん♪私からはこれ!」
そう言って泉が渡したのは一枚のカードだった。
それには『何でも言うこと聞いちゃう☆券』と書かれている。
「私にしてほしいことがあったらそれ使ってね。どんな事でもしてあげちゃうよ…?」
「あ、ありがとう…」
泉の妖艶な流し目に思わずドギマギする由紀。
その光景を見ていた瀬里奈と鈴香が青筋を立てる。
「泉さん。そういうカードはもう作らなくていいって去年も言ったでしょう?」
「ホントにね。どうせ由紀はそのカード使わないんだから意味ないよ」
かなり不穏な空気を吐き出しながら泉に詰め寄る2人。
しかし、泉はそれに意に介した風はない。
「だってぇ…もしかしたら由紀ちゃんがこうムラムラきて、使いたくなるかもしれないでしょ?」
「ありません!」「ない!」
揃って否定する2人。泉は不服そうだ。当の由紀は苦笑しながら傍観を決め込んでいる。
泉の誕生日プレゼントは、瀬里奈の時はちゃんとしたものを渡すのに、由紀の時はあんなカードを渡すのだ。
去年は『私を好きにしていいよ♪券』だった。因みにどのカードも時効はないらしい。
「うう…いいなぁ。儂も由紀にプレゼントしたいぞ!」
「したいぞ〜」
そうやって講義したのは真之助、明日香夫妻である。
そんな2人に由紀はどうすればよいのかわからず曖昧に笑っている。
鈴香はため息を吐き、泉はニコニコ顔。
彼らも毎年由紀にプレゼントする気満々なのだが、以前に瀬里奈と由紀から、『こんな誕生日会を開いてくれるだけで十分なプレゼントです。これ以上何か頂くなんて罰が当たります』といつになく強く言われ、プレゼントを渡せていない。
代わりに誕生会の食事やケーキなどがかなり豪華になったが。
未だにブーブー文句を言う2人に、瀬里奈が話しかける。
「叔父様、叔母様。私も由紀もいつもよくしてもらって感謝しています。これ以上2人に望むものなどありませんよ」
「む…しかしな…」
「プレゼントと言うなら、変わらず健やかな体で、変わらず私達と接して下さい。それが私達にとって掛け替えのないプレゼントです」
笑顔で言う瀬里奈。由紀も頷いている。
思わずジーンときた真之助は瀬里奈を抱き締めようとするが、

ガバッ!

「なんっっていい子なんでしょう!私は涙を禁じません!」
「ふゃあ!?叔母様っ?」
…明日香に先を越された。
真之助は即座に由紀へと視線を移し、

ギュウッ…!

「なんていい子なんだ!儂は涙が止まらんぞ!」
「ぐえっ…!おじさ…くるし…!」
実の子も真っ青の溺愛ぶりである。
もっとも当の実の子達は、もはや見慣れた光景なので一人は呆れ顔で、もう一人は嬉しそうにその光景を眺めていた。


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