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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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ヘタレですけど-8

助けたい気持ちはあったんだ。


そりゃ、勇気を出すまで時間はかかったけど、俺は止めようとしたんだ。


それを、後から来た州作さんがおいしいとこ全部かっさらって……。


思い出せば思い出すほど、悔しくて涙が溢れてきた。


一方、修は泣き出した俺に焦ったのか、胸ぐらを掴んでいた手をフッと緩める。


すかさず俺は身体を起こし、今度は修に馬乗りになるように体勢を変えた。


「ふざけんなあああ! てめえに俺の気持ちわかんねえだろ? 勝手なこと言ってんじゃねえ!」


「な、何だ!?」


「好きだからいいとこ見せたいって思うのは当たり前だろ!」


「ちょ、落ち着け倫平!」


でも、沙織に取り返しのつかないことを言ってしまって、心が離れてしまって八方塞がりになった俺はどうすりゃいいんだよ。


「なのに、ダセェとこ見せまいととった行動が裏目に出るわ、いいとこ見せようと勇気出せば空回りするわ、俺、一体どうすりゃいいんだよ!?」


泣きながら修の身体を揺する俺は、多分頭のネジが一本飛んでしまったのかもしれない。


鬱屈していた想いが、次々に爆発する。


「沙織は、可愛くてモテるし、いつ他の男に取られるんじゃないかって、ずっと不安だったんだよ!

だから、沙織を自分のものにしたくてヤりたいヤりたいって思うけど、好き過ぎて手出せねえし……」


「……お、おい」


「お前らに比べて俺がこんなヘタレだから、いつか愛想尽かされちゃうんじゃねえかって、ずっと怖かったんだよ!」


修の顔にポタポタ俺の涙がこぼれおち、奴はドン引きした顔で俺を呆然と見つめていた。


「沙織を好きな気持ちなら誰にも負けねえよ! でも好き過ぎるからヘタレになっちまうんだよ、どうすりゃいいんだよ、俺は……!

別れようなんて嘘に決まってんだろ! 別れたいなんて思うもんか、他の男に取られたくねえよぉ……!」


ユサユサ揺すった修の身体を床に打ち付けた俺は、そのまま奴の身体から降りたかと思うと、そのまま床に突っ伏してオイオイ泣き出した。


そんな俺は、呆然と見つめる修と、歩仁内が


「あの、声が大きくて丸聞こえなんですけど……」


と、テーブルですっかり黙り込む州作さんや女性陣の様子を気にしながら俺達に声をかけている様子に気付かなかった。


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