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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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略取3-1

 下村秘書の休みでセクションはてんてこ舞いだった。いかに重要なポジションにいたかを改めて認識した。どうやら二日ほどして、下村秘書本人から連絡があったらしい。休日に旅行をして高熱を出して病院に入院していたということだ。一人だったため、どうしても連絡ができなかった、といった情報を仕入れた。
 下村秘書の無断欠勤なんてとても信じられない。石橋はその情報を鵜呑みにはしなかった。どんな状況でも連絡だけはきちんとする人だ。本人ができなければ病院の人が会社に連絡くらいするだろう。だったら何だ、と考えてもまるでわからないのだが。
 田倉がいなくなったあとの沼田の変貌も異様だった。体を壊すのではないかと思われるほど仕事に没頭していた。沼田がヒーローとなった緑地の許可については思うところはある。が、それだけだ。
 例のダッチワイフが届いたことを伝えると、自宅に送って欲しいと満面の笑みで手を握られた。気持ち悪い。当然着払い。下村秘書のことを聞いてみたが知らないという。そりゃそうだろう、突然の休みで一番うろたえているのが沼田なのだから。でも今は、このくそ忙しいのに帰りは早い。理由はわかっている。石橋もそうだったから。
 佐伯は相変わらず暗く沈んでいる。田倉の件が発覚したあと進藤さんのことが心配で佐伯の家を張った。美少女の恵は見かけるが、進藤さんの姿を見つけることができなかった。佐伯も恵もいないときに思い切って家に電話をかけてみたが、長時間鳴らしたけれど出ない。日を改めて同じことをしてみるが誰も出ない。それを何日か繰り返した。
 ――進藤さんが家にいない。
 佐伯が追い出したのだろうか。いったいどこへ行ったのだろう。なんだか全部が自分のせいのような気がした。今までの行動を省みるとそうとしか思えない。
 窮地に陥っているはずの進藤さんから石橋のケータイに連絡はない。もう自分の出番はないのだろう。石橋は自分のデスクで頭を抱え込んだ。


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