投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ゼビア・ズ・ショートストーリー
【ファンタジー その他小説】

ゼビア・ズ・ショートストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ショートストーリー 84 ゼビア・ズ・ショートストーリー 86 ゼビア・ズ・ショートストーリーの最後へ

おっさんの純愛-6


 そして、その表情はキャラの目の前でサァっと青ざめた。
 そうだった……キャラはお姫様身分のくせに武器コレクションが趣味。
 普通の女性が何を好むのかなど……アドバイス出来る筈もない。

「ぬう……っ儂とした事が……うかつだった」

 ガックリと項垂れ頭を抱えるスオウ。

「そこまで落ち込まれると腹立つな」

 キャラは憮然とした後、ふわっと微笑んだ。

「ま、アレですよ。団長がミウさんに似合うなぁとか、そんなんで良いと思いますよ?」

「む」

「意外と女って単純なんですから」

 パチンとウィンクして見せるキャラに、スオウは自分で考えるしかないかと諦め、途端に頭の中で様々な贈り物が目まぐるしく動き出した。


 それから数日たったある日、昼食後に食堂裏の広場を覗くキャラとアースの姿があった。
 今日がミウの誕生日なのだ。
 広場には小さい鉢植えを持ってソワソワしているスオウが居る。

「結局、花かよ」

「まあ、無難だな」

 鉢植えの植物は『雪光草』といって雪が降る寒い夜に花が咲くのだが、その花がほんのりと光るのだ。
 スオウにしては中々のチョイスだ。

「お」

 そこにミウがいつもの様にやってきて、お菓子の入った紙袋を渡す。
 スオウは片手でそれを受け取ると、入れ替える様に鉢植えを持った反対の手を出した。
 ミウはそれを見ると目を真ん丸に見開く。
 スオウは頭から湯気を立てながら言い訳するように何かを伝え、それを聞いたミウの顔が満面の笑顔に変わり、スオウの首に両手で抱きついた。

「おぉ」

 ミウの大胆な行動にキャラは感嘆の声をもらし、アースは小さく口笛を吹く。
 スオウはというと右手に紙袋、左手に鉢植えを持ったまま岩の様に固まっている。

「軽く抱き返すとかすりゃあ良いのにな。やっぱ、ダンナ亡くしたばっかの女にゃ手ぇ出し難いか」

 ため息まじりに言うアースに、キャラはチッチッチッと指を振ってみせた。

「それがさ、ミウさんって独身なんだと」

 寝耳に水な話にアースは目をパチパチさせる。

「は?娘居るよな?」

 この間の会話で『娘も学校に慣れた』と話ていた気がするが?
 とアースは首を捻った。



ゼビア・ズ・ショートストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ショートストーリー 84 ゼビア・ズ・ショートストーリー 86 ゼビア・ズ・ショートストーリーの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前