あなたは調教士（２２）-1
手を、そっと左右に滑らせる。彼女の左右の乳房の下乳部分にそうするのは、ジャニスやミドリよりも大きく手を動かさねばならず、あらためてあなたに彼女の
そして、
（重い‥‥）
とも感じた。持ち上げているわけではなく、下乳を撫ぜているのにすぎないのに、やはり最低でもＯカップの彼女の乳房は、上にではなく左右に少し揺らすことにすら、質量を感じるのだ。
「はう‥‥くぅ、くっ‥‥」
ルリア・ミアヘレナは、ただそうされるだけで、ビク、ビク、とボディを動かす。なにしろ、ジャニスさんミドリの二・四倍の快感なのだ。そして、体力的な負担も大きいのだ。
しかしルリアは、あなたが休み休み行こうと手を離すと、決意の目であなたを見下ろし、そうしてぶるんぶるんおっぱいを揺らすのだ。X十字架のために、体は僅かしか動かせないはずだ。だが、ルリアの乳房は、その愛肉のたっぷり詰まった質量のために、それを可能にするのだ。
それは、彼女の意志を示していた。
本気なのだ、彼女は。大義のために、自らの巨乳を、一歩間違えれば触れられただけで奴隷にされてしまうような快楽を与える、たっぷりとふくらんだ
「あなたの手でわたしを乳奴隷にしてくれ！」
と。彼女は渾身の力でそう叫んでいるのだ。これには、応えなくてはならないだろう。
とはいえ、最初はくすぐりだ。手順を守ることが、彼女のために大事なのだ。
おそらく、こんなに気を張ってくすぐるのは、あなたは生まれて初めてだろう。気合を入れればいいというものではないが、あなたはそうして、彼女の両腋からどっとばかりに盛り上がった乳房との間に指を滑らせた。
「ふわああああっ‥‥！ はふ、はっ、はううン‥‥」
固い乳房のミドリよりもはっきりと腋から分かたれて大胆な角度で盛り上がり、ジャニスさんよりは固さは見せるもののボリュームは圧倒的に豊かなルリアのその部分に、あなたは指先をくすぐらせる。その部分は、くすぐったさが加わることにより、性感とはまた違った凄絶な悦びを、ルリアの強靭な意志さえ崩しかねない快感を、彼女に与えているようだった。
あなたは気後れして、一旦は手を離す。しかし、Ｏカップのくすぐり奴隷とした彼女は、そうされるとすぐに、一二五センチを超える乳房を可能な限り振り、粋も絶え絶えに涙を流しながら、あなたの指先を求め続けた。
「いいぞ‥‥。‥‥、続けてくれ」
あなたが休みに入ると、女戦士ルリアは、荒い息を整えながら言う。溶液の効く時間は限られている。それは、この二・四倍とて、同じだ。より厳密に言えば、効力時間が同じ分、落ち方は急激になることになる。
モタモタしている場合ではない。あなたは意を決して、乳房を揉みにかかった。
鷲づかみにはしてみる。最初はやわらかく――。
「ああああうっ！」
しかし、優しく揉んでも二・四倍の威力は凄まじかった。ルリアの乳肉は、掌からこぼれる、などという生易しいものではない。あなたの手では、大きく広げても到底「鷲づかみ」にはできず、彼女の見事な乳房に添えられた小物にすぎないかのようだった。
ジャニスさんのそれよりは固めなのに、上回るその大きさのためにまるで指が食い込むようで、ミドリのそれよりもやわらかめなのにやはり上回る大きさのために、強いというよりはグラデーションのような深い弾力を示してくる。
だが、ここで見捨てるわけにはいかない。あまりにもけしからん過ぎなありあまる乳肉を、余すところなくすべてかまってあげようと、あなたは両手を別々に上下左右と動かし、揉み込んでゆく――次第に力を入れて。
いや、力を入れていかないと、その複雑な弾性のために、揉んでいるはずのあなたの手は、いつの間にか表面を滑るだけの、陳腐な愛撫に堕ちてしまうのだ。
「ふわ‥‥がっ。はぐっ、あ、ああああがっ‥‥！」
ルリアは、嬌声を抑えてくれているようだ。全開で鳴くと、恐らくあなたを心配させて、手を鈍らせてしまうと思っているのだろう。
「ルリアさまっ、頑張って！」
ミドリの声援が飛ぶ。
「調教士さまもっ。してあげてくださいっ、乳奴隷に！ ルリアさまを！ いま！」
続いてジャニスさんの声援。心強い。
「凄い！ これは凄っ‥‥あああああっ。いいぞ！ ‥‥、やめるな！ ああああああああっ！」
ルリアも、一二五センチオーバー、Ｏカップ以上のその巨乳で、全力であなたに答えようとする。それはビッグな肉のコントローラー。指を食い込ませ埋めようとやわらかさと、はじき返そうとする弾力を同時に備えた物体として、あなたを挑発し、かつ、従おうとしていた。
その感触をあなたは充分に楽しみつつも、正直、圧倒される思いすら抱いていた。少々指が疲れてきても、その魔力ゆえに、なかなかやめることはできなかった。魔乳、とはこれを言うのだろう。
女たちの声援を受けながら、あなたはその類稀な乳房を揉み続けた。
「やはっ‥‥、
誇り高き女騎士ルリア・ミアヘレナは、至高の表情で悦楽の涙を滂沱と流し、あなたに哀願し続けたのだった。