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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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痴漢専用車両お楽しみバージョン出発進行-2

ホームには優子と陽子以外に、プレイヤーがそれぞれの位置で待機していた。

優子の初乗車の時と同様に、階段を下りた1両目の3ヶ所有る乗車マークの位置にはそれぞれ4,5人のプレイヤーが列を作っていた。女性客は本能的にそれを避けて、空いている車両、すなわち優子と陽子の待つ2両目の車両に来るはずだ。

2車両目の乗車位置に、全く人が居ないのは不自然なので、毎回ゲストの女が2人立つようにしている。前回は、陽子と寛子が立っていた。

ゲストの都合によっては、【痴漢専用車両】に参加できない場合がある。夜に時間の取れない主婦がこれに当たる。また、時間に余裕が有っても、ゲストが生理の時は残念ながら諦めて貰わなければならない。血を見て興奮する趣向の者も居るかもしれないが、後の始末が大変なので辞退して貰っている。前回の由香里がこれに該当していた。

そんな時のゲストには特別な任務が有った。改札を入った所で待機し、男性客が居た場合に声を掛けて足止めをさせる役目だ。適任のゲストが居ない場合は、数人のプレイヤーが難癖を付けて、男性客が入り込むのを防いでいた。

さて問題の4人の女性客。一旦階段を降りかけたが、途中で立ち止まって中々降りて来ない。気になった優子がチラリと見ると、何故か大学生に見える女だけが、階段の上まで戻って腰を落としていた。それを3人の女が見上げて騒いでいた。

(コンタクトでも落としたのかしら?)

しかし、チラ見しただけではそれ以上はわからない。シゲシゲと見る訳にいかないので、優子は見たいのを我慢して線路の方に目を向けた。

落としたコンタクトでも見つかったのか、女性客が再び階段を降り始めた。しかし、あろうことか優子と陽子が待つ前方の車両に来ずに、プレイヤー達が並ぶ乗車位置にそのまま並んでしまった。

(えっ?どうして?普通、こっちにくるでしょ…)

戸惑った優子が陽子の方を振り向いたが、陽子も困惑の表情を浮かべていた。困惑は後ろに並ばれたプレイヤー達も同じだろうが、流石にそれを顔に出せないし、振り向くわけにもいかない。

ホームに立つプレイヤーとゲストの困惑を他所に、マスターである星司を始め、他の【痴漢専用車両】のメンバーを乗せた電車がホームへと入ってきた。

プレイを行う車両には、この時点では星司しか乗っていない。ホームに立つ女性客が、ホームに入って来る車両の中を覗いた時、もし多数のプレイヤーが乗っていたら、その女性客は他の車両に流れる可能性がある。それを防ぐために、他のプレイヤー達は前後の車両に分散して待機していた。

やがて星司の乗った車両が、4人の女性客の並ぶ列の前を静かに通り過ぎ、ゆっくりと停車位置に止まった。一拍おいて扉が開くと、目の前のホームに立つ優子を認めた星司が、にこやかに微笑み軽く手を上げた。

優子も戸惑いながらも、星司に応えて車両に乗り込んだ。

「女性客は居なかったようですね。すみません、どうやら私の予想は外れたみたいだ」

移動する電車の中から、ホームの様子を見ていた星司が開口一番に言った。星司からは複数いるプレイヤー達に遮られて、その後ろに並んでいた4人の女性客は見えていなかった。

陽子を通じて、優子から当日の乗客予想を聞かれていたので、感じるままに『複数の女性客が来るかもしれない』と伝えていた。その事を陽子から聞いた優子が喜んでいた事を、また陽子を介して星司は聞いていたのだ。

「えっ、そ、そうじゃないんです。4人居るんですけど隣に乗っちゃって…」

星司の謝罪に慌てた優子が、戸惑い顔を後方の車両に顔を向けた。優子に釣られた星司もその車両に目を向けると、手島が連結口の扉を開けて、隣の車両から顔を出した。星司を認めた手島は「どうしよう?」といった感じで肩を竦めると、こちらに近づいてきた。

「その4人は駆け込みじゃなくて、初めから向こうに並んでいたんですか?」

「えっ、ええ」

優子が戸惑いながら頷いた。


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