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私の王子様
【ファンタジー 官能小説】

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私の王子様-7


「とっても危険なクラスタの当主様だし……」

「その為に魔法の勉強に励みましたわ!魔法の腕ならおじ様より上です」

「南の大陸カイザスの王子でもあるからお付き合いとか複雑よ?」

「大丈夫ですわ!南の王族、貴族の関係は全て調べあげてますし、既に頭に叩き込んであります」

 デレクシスのお嫁さんになるべく、相応しい女性になるべく、ジェノビアは身体だけでなく様々な事を磨いてきたのだ。
 それはファンの姫としてではなく、1人の女としてデレクシスの為だけに磨いてきたもの。
 どのように反対されても良いように、本当にジェノビアは準備をしていたのだ。

「……デレクシス様に愛する女性が居ても?」

「……え……?」

 しかし、この質問には声を失った。
 ステラはふぅっと溜め息をつくと真面目な顔で昔話を始める。

「デレクシス様はね、若い時に時間移動をした事があるの」

 時間移動とは、何か強い衝撃などを受けた時に起こる現象。
 原因は解明されていないが、一説には危険を回避する為に魔力が暴走するのだと考えられている。
 飛ぶ時間帯は様々で、1時間前だったり100年前だったり……基本的には過去に飛ばされるようだ。
 勿論、魔法使いでもあるジェノビアは時間移動の事も知識として知っている。
 しかし、デレクシスが体験したという話は初耳だった。

「デレクシス様は500年前に飛ばされたのよ。そこは全大陸戦争の時代だったわ」

 およそ500年前、東西南北の大陸が互いの領地を躍起になって奪いあっていた時代……その真っ只中にデレクシスは飛ばされたのだ。

「勿論、貴女も知っているわね?」

「ええ、歴史で習いましたわ……その時代は召喚師様が沢山居て、精霊人はもっと沢山居て……」

「ええ、それらを人間兵器にして戦いが続いたの」

 召喚師とは異世界の住人である『魔獣』を喚び出して使役する事の出来る特殊な能力を持つ人々の事。
 『魔獣』は桁外れの強大な能力を持ち、その圧倒的な力を使う『魔獣』を使役出来る召喚師は重宝された……訳ではなかった。
 実際は家族や友人を人質にとられ、無理矢理戦いに参加させられていた。
 そういう事実もデレクシスの時間移動で分かった事だ。



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