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私の王子様
【ファンタジー 官能小説】

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私の王子様-14


 ジェノビアの両親に頼まれ、中の2人に気付かれ無いよう結界をこじ開け、消音魔法を解除して会話を盗み聞きしていたのだ。

「……」

 父親は物凄く不機嫌な顔でだんまり。

「ねぇ、ノア?産まれ変わりって本当にあるのかしら?」

 父親とは違い、母親の方はのんびりとノアに質問してきた。

「そうですね、そういう話は色々とありますが僕の考えは『無い』ですね」

「あら?どうして?」

 ロマンチックじゃないわね、と言わんばかりに眉をひそめた母親ステラにノアは自分の考えを説明する。

「実証が無いからです。姫様みたいに曖昧な記憶の話ばかりで、絶対にそうだと言いきれる確証が無いんです」

 何となく知っているとか、どこかで見た事があるとか、そういう話は良くある。
 その良くある話の中でもジェノビアの場合は確証に近いものがある。

「強いて言うなら残留思念だと思います。姫様がウィルさんの記憶を視る時は必ずデレクシス様がいらっしゃいましたから、デレクシス様の強い想いを同じ想いを持つ姫様がキャッチした、というのが妥当ですね」

 だからジェノビアの視るウィルの記憶はデレクシスと一緒に居る時の記憶だけなのだ。
 もし、本当に産まれ変わりであれば、その後デレクシスと別れた後の記憶、つまりデレクシスの知り得ない記憶もあって然るべき。
 今のところそれは無いので『産まれ変わり説』よりも『残留思念説』の方が有力だ。

「それに個人的にも産まれ変わりはあまり信じていませんしね」

 産まれ変わりなどを真剣に考えたら、前は虫だったかもとか考えてしまってうんざりする。
 そんな昔々の事よりも、ずっと先の死んだ後の事よりも、今現在の事が何よりも大事だとノアは考える。

「そうね。そうかもね。ああ、でも良かったわ。デレクシス様はちゃんとノービィを愛してくださっているのね?ノービィは幸せになれるわね?」

 母親として心配だったのは、デレクシスがジェノビアをウィルの代わりにしているのではないか、という事。
 しかし、デレクシスはウィルの代わりにジェノビアを愛するわけではなく、ウィルを愛しつつもジェノビアを愛し彼女自身に愛される事を望んでいた。
 それがジェノビアの理想なのだから、他に言う事は何も無い。



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