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THE 変人
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上司と部下-2

 家に帰るとグッタリとした幸代。ここの所ずっと苦しみ悩んでいた疲れと、ようやく終わった安心感が急に体を襲った。服を脱ぎ捨て下着にTシャツを着てベッドに横たわる。
 「疲れた〜…」
手足を伸ばしそう溢した。ふと気付くと海斗の事を頭に浮かべていた。一緒に同行して色々とブツブツ言われたりした時には、煩いなぁ…分かってるよそんな事…、といつも思っていた。いつまでも新人扱いされているようで嫌がだった。しかし今は違う。言葉の一つ一つが自分の為であった事が分かると幸代は海斗が自分の事を助けたり守ったりしてくれているんだと思える。新人扱いされつい反抗的な事を言ってしまった自分が情けなく思えた。
 『今日はありがとうございました。これからも宜しくお願いします。』
幸代は海斗にそうメールした。するとすぐに返事がした。
 『いつか体で払って貰うから気にすんなよ!』
と。
 「ば〜か、払わないよぅ!」
返信を見てふと笑った。
「可愛い部下かぁ…。そう思ってくれてたんだね…。」
胸が温まる。正直嬉しかった。釣りと風俗の話ししかしない小さな人間だと思っていたが、今は大きく感じる。海斗がみんなに好かれる理由が何となく分かる気がした。
 「明日はサッカー観戦かぁ…。」
正直全くサッカーに興味がない。選手もルールも知らない。しかし何故か胸が躍るのは安田の言葉にあった。
 「デート…になるのかな…。」
デートていう響きに久しぶりにワクワクした。就職と同時に学生時代に付き合っていた彼氏と別れてから1年半ほど、付き合った男はいない。彼氏が欲しいとも思わなかった。それよりも早く立派な社会人になりたかったからだ。
 「てか、スポーツ用品業界にいてサッカーを全く知らないのも問題よね…。」
根本的なおかしさに気付く。海斗が競技に全く興味がないし無知な為、特別覚える必要もないと考えていた。
 「スポーツ競技、勉強しなきゃ!」
まずはサッカーから覚えよう、そう思った。
 「スポーツ観戦なんて初めて…。どんな感じなんだろう…。」
自分がどういう反応を示すのか全く予想できなかった。
 「点が入って興奮したら海斗さんと抱き合うのかなぁ…。やぁだぁ!」
ベッドを手で叩いて1人で照れる幸代。その時自分はどういう気持ちになるんだろう…そう考えて素に戻る。
 「仕事…?デート?どっちなんだろう…」
幸代の乙女心が久しぶりに揺れ動いた。


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