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「幼なじみ」
【幼馴染 官能小説】

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蜜日〜幼なじみ5-1

もうじき、会える。 
隆志に会える。
明日、会える。

そんな毎日が嬉しくてならない。
指折り数えて遠足を待つ小学生の気分。

「よお、由佳じゃん」
”東京弁”にもだいぶ慣れた・・・つもり。
でも、男の東京弁ってうさんくさく聞こえる。
「呼び捨てにすんなってゆうてるやろ、高野くん」
振り返ると、派手なTシャツに着古したジーンズを見に付けた高野君が笑っている。
彼はこっちが地元で、同じクラスだ。
派手な外見の割には、繊細なタッチの絵を描く。
「ほんといいよな、関西弁のコって。もうメシ食った?」
「まだやけど、今日はもう帰るねん。残念」
授業なんて受けてられるか。
明日から3連休。
隆志は、部活もバイトも休んで来てくれる。

準備に余念がないのが女心ってヤツ。

「サボリかよ。何何?なんかあんの?」
「彼氏がくんねん。大阪から」
ツカツカと廊下を歩く。
だいたい、今日は専門授業は午前中で終わったのだ。
一般教養の授業なんて、隆志と比べようにならない。
「ああ、その安っぽい指輪くれた男?そんなのやめとけよ〜俺の方が絶対いいって」
クリアな指輪。
隆志が初めてあたしに買ってくれたもの。

思わず、睨みつける。
「あんたと隆志、月とスッポンや。それ以上なんかゆうたらしばく」
「おお、こわ。怒った顔も可愛いなぁ。また連絡するよ」
いらんっちゅーの。
隆志以外の男から連絡なんて、なくていい。

欲しいのは、隆志からだけ。

とりあえず、部屋を綺麗にして、お布団も干して、食材も買いこんで・・・
あっ・・・ゴム買っとけとかメール来てたけど・・・
服!服はどうしよ?下着かて、買わんと新しいのない!!

頭の中でやるべきことを思い出しながら、あたしは足早に学校を出た。


「金ないから、夜行バスで行くわ。朝着くから」
隆志からのメールを何度も読み返す。
8時に駅前。何度も反芻する。

掃除した部屋の真ん中で、買ってきた服を選びながら時計を見た。
午前2時。
もう、大阪をとっくに出発している頃だろう。
あと6時間。
あと、もう少し待てば隆志に逢える。

ワクワクしすぎて、眠れない。
これじゃ、ほんとに遠足前のコドモだ。


ワクワクしすぎたのがいけなかったんや、絶対。
目が覚めると、8時10分前だった。
「うそぉ!?」
飛び起きて、ほとんど落ちるようにロフトから降りる。
ここから駅まで歩いて結構かかるのに、どうしたらいいんや!
とりあえず顔洗わないと・・・と、洗面所へ向かうとケータイが鳴った。

「おい、俺もう駅着いてんねんけど。お前まだやんな?」
「ごめん、さっき起きた・・・」
「はぁ?まだ家か?・・・もうええわ、道なんとなく覚えとるし、迎えいらんから」
「えっ、待ってや!」
「久々の再会やねんから、顔くらいちゃんと洗っとけよ」
言うだけ言って電話が切れた。
そう、久々の再会なのにノーメイクの髪ボサボサ。しかもパジャマ。
ありえない。


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